2月8日(火)に
佐賀競馬場で第49回
佐賀記念が行われます。
JRAとの交流重賞になった1995年からしばらくは6月末または7月に実施されていましたが、2001年以降は「建国記念の日」の周辺で定着。2月に移った最初の年とその翌年は、笠松の
ミツアキサイレンスが勝利しました。
その後は2008年に兵庫の
チャンストウライが勝ちましたが、それ以降の優勝馬はすべて
JRA所属。最近10年は
JRA所属馬が3着以内を独占し、
地方競馬所属馬は4度の4着までとなっています。
そんな
JRA勢優勢の流れを打破してくれそうな存在が、兵庫から遠征してくる
スマハマ。
JRAでは3歳2月に
ヒヤシンスステークスを制し、翌年は
東海ステークスで3着。2020年以降は大敗が続きましたが、兵庫での移籍初戦は1年4か月ぶりをものともせずに勝利。続く前走の
兵庫ゴールドトロフィーは流れに乗れずに大敗しましたが、本来の主戦場は中距離。そして今回は佐賀所属の「
スーパーゴールデンルーキー」
飛田愛斗(ひだ・まなと)騎手が鞍上に指名されました。デビューしてまだ1年4か月という19歳は、昨年のヤングジョッキーズシリーズで総合優勝。ここでその名前をさらに大きくする可能性は十分にあります。
しかしながら、今年も
JRA所属馬は強力。なかでも
白山大賞典と
浦和記念を連勝中の
メイショウカズサには、
佐賀競馬場で生まれ育った
川田将雅騎手とのコンビという点を含めて大きな注目が集まるでしょう。
ただ、
メイショウカズサは気性面で難しいところがあるのが心配。昨年7月に小倉1700mで実施された
プロキオンステークスを制したものの、続く同じ舞台で同じ距離の
阿蘇ステークスではレースを途中でやめるような形で6着。それでも最近2戦は逃げ切っていますから、今回もそれを再現する可能性は十分にあります。
ケイアイパープルは前走の
名古屋グランプリで先行粘り込みの競馬で2着。「砂をかぶると行く気をなくす」(
松山弘平騎手)という面がコーナー8回の競馬での距離ロスにつながったようで、馬群がバラけがちになる
佐賀競馬場は条件的に合うかもしれません。
ライトウォーリアは前走の
名古屋グランプリで失速しましたが、2周目の3コーナーで両側から並びかけられたことで「あの形になると厳しいですね」(
高野友和調教師)という結果。そういうタイプならば、こちらも
佐賀競馬場のコース形態はプラス材料になるでしょう。
アメリカンフェイスは
佐賀記念に出走できることが決まったのが2月3日。そうなると調整過程が気になりますが、しぶとく伸びてくる脚がいきる形になれば上位争いに加わりそう。
ギベオンは重賞実績がありますが、今回が初のダートが課題。58kgの負担重量も心配ですが、新たなチャレンジがハマる可能性に警戒する手はあるでしょう。
ちなみに過去10年の
佐賀記念では、単勝1番人気馬が5勝、2着2回、3着1回。10年前は6→3→5番人気の順でしたが、それ以後の9年の3着内馬はすべて、単勝5番人気以内となっています。
そのデータが向かい風になる可能性はありますが、地元所属で「今年こそ」と狙っているのが
グレイトパール。
JRA時に重賞を2勝した実績をもつ馬で、2018年12月の佐賀移籍後は
佐賀記念に3年連続で出走して、4着、6着、7着。超大型馬で脚元との戦いが続いていますが、昨年末の
中島記念は差し脚を長く使う走りで完勝。前走は2度目の580kg超えが響いたせいか大敗でしたが、今回は巻き返しを狙ってくるはずです。
その
グレイトパールにとって、追い風になるデータを紹介しておきましょう。
2016年以降の過去6年の連対馬は「前走が重賞&重賞以外」の組み合わせ。ちなみに
JRA所属馬で「前走が重賞以外」なのは
アメリカンフェイスだけ。
そのあたりを考えると、今年は混戦になるのかも。見どころ十分の
佐賀記念は、2月8日(火)の17時00分に栄光への扉が開きます!
(文:浅野靖典)