「
フェブラリーS・G1」(20日、東京)
東京マイルは自分の庭とばかりに、21年覇者で2番人気の
カフェファラオが文句なしの走りを披露。3番手から堂々と抜け出し、1分33秒8のレースレコード(コースレコード・タイ)で、14&15年
コパノリッキー以来となる史上2頭目の連覇を達成した。福永は26年連続のJRA重賞勝利&5年連続のJRA・G1勝利。
テイエムサウスダン(5番人気)が2着に逃げ粘り、白毛の
桜花賞馬
ソダシ(4番人気)が3着。1番人気の
レッドルゼルは6着に終わった。
このステージだけは譲れない。21年覇者
カフェファラオが2馬身半差をつけて完勝した。直線ラスト200メートルで逃げた
テイエムサウスダンを軽々とらえると、あとは悠然とゴールを駆け抜けるのみ。従来のレースレコードを0秒2更新する1分33秒8。まさに完璧な連覇劇だった。
今回、陣営が掲げたテーマは“気分を損ねないように”だった。装着するチークは3つの中から最終的に21年と同じ物を選択。馬場入りでは最後に出るようにリク
エスト。そしてスタートに集中した。福永は「一歩目は速くなかったが、うまくリカバリーできたし、レース前に話していたように、3番手のポジションを取ることができた」と振り返った。
外めでもまれることなく、理想的なレース運び。それでも不安はあった。「これで負けたら仕方ないと思っていた。それより、いつ切れるか分からない感じだったので、とにかく気分を損ねないように。抜け出してからも、他の馬は見ていなかった」。全VTRを確認し、最終リハにまたがり、陣営と話し合いを繰り返した。
鞍上は21年末の
香港スプリントで落馬事故に巻き込まれ、左鎖骨を骨折。その休養中に、今回の騎乗依頼を受けたという。「めちゃくちゃラッキーだったね。そのためにも自分の体調を万全にして、信頼に応えたいと思っていた。いい仕事ができたと思っている」。今月5日の復帰から38戦目でのG1制覇。絵になる男がテン乗りで最上の結果を出した。
これで東京マイルは4戦4勝。史上2頭目のレース連覇に、堀師も「馬がよく走ってくれたし、ジョッキーも上手に乗ってくれましたね」と健闘をたたえた。この勝利で、今秋の米国G1・ブ
リーダーズCクラシックの優先出走権を獲得。「今後は(登録している)ドバイも含め、馬の状態を見ながら決めていきたい」。圧巻の走りで頂点に立った5歳馬が、壮大な夢に向かって新たな一歩を踏み出した。
提供:デイリースポーツ