藤沢和雄調教師(70)=美浦=が定年のため、27日の競馬を最後に引退する。多くの名馬を送り出し、競馬界に新たなスタンダードを導入してきた名伯楽は、インタビューで「大成させられなかった馬が何頭もいました。今でも後悔はあります」と語った。
記者が個人的にその中の1頭なのではないかと思うのが
タイガーマスクだ。山本英俊オーナーの発案で、賞金で得た進上金を恵まれない子どもたちへ寄付することで話題となった。
師は「素晴らしい考えだと思いましたね。山本オーナーは
カジノドライヴでピーターパンSを勝ちましたが、その賞金もアメリカの子どもたちに寄付しました」と振り返る。
タイガーマスクはJRA2勝、地方2勝を挙げ、約1900万の賞金を獲得した。
藤沢和師というとG1馬ばかりがクローズアップされるが、虎模様のメンコをかぶった
キングマンボ産駒が、社会に果たした役割は決して小さなものではなかったと思う。(デイリースポーツ・小林正明)
提供:デイリースポーツ