今月末で定年引退する藤沢和師から数多くのことを学び、継承してきた武幸師が、間近で見てきた“藤沢イズム”を語った。
藤沢和師の思いは次世代のトレーナーにも受け継がれている。騎手を引退して即、弟子入りを志願した
武幸四郎調教師(43)=栗東。「厩舎の運営についてしっかり勉強したかった。騎手時代からお世話になっていた藤沢和厩舎で学びたいと思った」と振り返る。
開業までの約1年間、名伯楽のもとで修行。「レースや追い切りだけではなく、馬にとっては目立たないところが重要。日々の積み重ねの大切さを学びました」。追い切りは決してハードではないが、それを補って余りある毎日の調教量と質の高さはまさに“藤沢流”がベース。21年はキャリアハイの34勝を挙げるなど、着実に階段も上がっている。
“教え子”は今週末の26日、管理馬の
セキフウ(牡3歳)で初めて海外(サウジダービー)に挑戦する。「海外がどう、G1がどうではなく、馬に合いそうだから挑戦します」。そんな馬本意の言葉からも、馬第一主義だった藤沢和師の思いが見え隠れする。異国の地での勝利は師匠への恩返しになるはずだ。
提供:デイリースポーツ