今月末で定年引退する藤沢和師から数多くのことを学び、継承してきた鹿戸師が、間近で見てきた“藤沢イズム”を語った。
「随分といろいろなことを教わったな」-。師匠の定年を目前に、
鹿戸雄一調教師(59)=美浦=は寂しそうにつぶやいた。
JRA通算346勝を挙げた騎手時代の晩年は、藤沢和厩舎の調教を手伝いながら間近で学んだ。「調教師試験を受けようかな、と考えていた頃、藤沢先生から『うちで勉強した方がいいぞ』と声を掛けてもらって。G1を使うような馬のケイコに乗せてもらえるのは楽しかったし、毎日が勉強になりましたね」と当時を懐かしむ。
08年に厩舎を開業してからは“藤沢流”の調整
スタイルを取り入れて成績を向上させた。「まねごとかもしれないですが、先生のやり方に可能な限り近づけました。すると、それに馬は応えてくれる。やっぱり馬本位が大事なんだなと感じましたね。教わったことを忘れず、これからもいい仕事をしていきたいと思っています」と恩師に頭を下げた。
提供:デイリースポーツ