「
阪急杯・G3」(27日、阪神)
1番人気に支持された古豪
ダイアトニックが完全復活の快走劇。前走からコンビを組んだ岩田康に導かれ、1年8カ月ぶりの美酒に酔った。通算3度目の重賞Vで、
高松宮記念(3月27日・中京)の優先出走権を獲得した。2着は9番人気の
トゥラヴェスーラ、3着には6番人気
サンライズオネストが続いた。
鮮やかなイン突きで完全復活をアピールした。20年
函館スプリントSを制して以降、長らく不振が続いていた
ダイアトニックが、1番人気馬らしい堂々たる競馬で快勝。
トゥラヴェスーラの追い上げを首差封じると、岩田康の口からは勇ましい雄たけびが上がった。
絶好のスタートを決め、スッとラチ沿いまで誘導。外から来た
モントライゼに先頭を譲り、絶好の位置で脚をため込んだ。直線は逃げ馬の内へ。「こじ開けたみたいになったんですけど、力があるからこそ。瞬発力で狭いところを割ってくれました」。1頭分あるかというようなスペースではあったが、人馬ともにためらうことなく一気に突き抜けた。
「前回の
金杯(4着)に乗せてもらった時に、刺激を与えられたことがあっての結果です。一時期は低迷しましたが、厩舎、牧場関係者の熱い思いが、この勝利につながったと思います」。2度目の騎乗で復活へと導いた鞍上は、会心のレースに胸を張った。
安田隆師も「しっかりと走れていました。本物になっていますね」と7歳馬のカム
バックを喜んだ。次の
ターゲットは、もちろん短距離王の座。「この勝利で馬にもっと気持ちが乗ると思う。正々堂々とG1に臨める」と岩田康は戴冠に意欲満々だ。確固たる自信を取り戻した古豪が、1カ月後の中京で再び主役を演じる。
提供:デイリースポーツ