現地時間3月1日、フランスの
M.ミシェル騎手が昨年12月の落馬骨折の治療とリハビリを終えて実戦に復帰する。
昨年12月2日、ラ・
クロワゼ=ラロッシュ競馬場での落馬事故で病院に搬送され、左鎖骨骨折、頭蓋骨後部の骨折などと診断された。左鎖骨の骨折が固まるのを待ち、年明けから左腕の本格的なリハビリを開始。その後は順調な経過をたどり、
シャンティイの調教場で調教に騎乗する姿や、アスリートとしての激しいトレーニングを行う様子を自身のSNSで公開するまでに回復している。頭蓋骨後部の骨折については、完全に治癒するまでには数カ月が必要ということだが、騎乗に際しては問題がないと判断されたとのこと。
復帰戦は1日、
シャンティイ競馬場の第6R ラレイ・デュ・ポントウロワ賞(4歳上・芝1300m)で、ドウネヴァ(牡9、仏R.ボウキュート厩舎)に騎乗することになっている。
【
M.ミシェル騎手】
―――大変な事故から、ようやく復帰ですね。
「わくわくしています!」
―――復帰までの3ヶ月、どのように過ごされましたか?
「最初の1カ月は本当に苦しかったです。自分で動けないし、自分でシャワーも浴びられませんでした。痛みで眠れなくて、とにかく家に籠もって待つだけ…。とても長く、つらい日々で、精神的にも厳しかったです。
2カ月目、お医者様の指導の下、左腕のリハビリが本格的に始まりました。少しずつ動かしはじめ、毎日のように新しい動きができるようになり楽しかったです。人間の身体の進歩というのは、本当に興味深いなと思いました。また、普段あまり会えない家族と一緒に過ごせたのは、私にとってとても貴重な時間でした。
3カ月目には、私の左腕は100%元通りに動くようになり、お医者様も私の骨の治癒に満足してくれました。
最初、何もできなくて私は本当に焦りましたが、その後、待つしか選択肢がないことを理解しました。私には何も変えられない。だから私は、時間をかけて普段できないことをしようと思いました。よく眠り、よく食べて。私は目標を、事故の前よりもより良い自分になることとしました。どうすれば私がもっとより良く、より強くなれるかを考えました。
事故の後初めて馬に乗ったのは2月19日でしたが、すぐにギャロップで走らせてしまいました。おかしいけど、私あまりに体調が良くて…。頭蓋骨の先生も、もう乗っても問題ないだろうとおっしゃってたので」
―――休養期間中に
ハネムーンに行かれたと。
「はい。先週まで12日間、モーリシャスで。騎手デビューして初めての休暇でしたし、素敵な時間でした。太陽を一杯に浴びて、心身に沢山のビタミンを補給しました。100%の体調と
モチベーションでフランスに帰国しました!」
―――日本のファンの皆さまへメッセージお願いできますか?
「療養期間、沢山の皆さまから応援のメッセージをいただきました。本当にありがとうございます。それは私にとって必ずしも心地良い時間ではありませんでしたが、私を成長させてくれたと思います。日本に戻って騎乗すること、それは変わらない私の目標です。まずは3月に入国制限が緩和されると聞いていますので、そちらに行けたらいいなと思っています。沢山の日本のファンの皆さま、レース、街の雰囲気、素敵な人々…。私は皆さまを忘れたことがありません。早くお会いしたいです」
(取材:高橋正和、編集:netkeiba.com)