「
高松宮記念・G1」(27日、中京)
僚紙・馬サブロー在籍時に、新規開業した石坂正厩舎(21年に定年解散)を10年近く担当させてもらった。デイリースポーツに移籍後も縁があり、私が初めて書いた
ヒロイン原稿が、
アストンマーチャンが逃げ切った07年
スプリンターズS。不良馬場を克服してのVに、感動したのが昨日のことのようだ。
その後の悲劇もまたしかり。G1制覇の歓喜からわずか半年後。
マーチャンは08年
高松宮記念を前に、原因不明のX大腸炎に冒され、急性心不全で早世-。次世代にあの快速の血をつなぐことはかなわなかった。「こればかりは仕方ない」。上田助手(現・田中克厩舎)の無念の言葉が今でも忘れられません。
トゥラヴェスーラの血統表を見ると、自然と胸が熱くなる。母は
アストンマーチャンの全妹。4歳という年の差を考えると、恐らく姉のような活躍を願ってもう一度、
アドマイヤコジーンを種付けしたのだろう。
非サンデーの牝系は
ノーザンダンサーの4×4クロスが特徴的。これにSS系
ステイゴールド産駒の父
ドリームジャーニーに宿る
ノーザンテースト4×3クロスが絡み、しまいの切れ味に重厚感を加えている。昨年は4着。天国で見守る伯母の夢も乗せて、今年こそVをつかんでほしい。(デイリースポーツ・松浦孝司)
提供:デイリースポーツ