競馬新聞「馬サブロー」が誇るPOGマスター、塩手智彦(栗東)と木村拓人(美浦)がお送りするPOG情報。東西のトレセンでつかんだ情報をお伝えします。
次週はいよいよクラシック第一弾・
桜花賞(10日・阪神、芝1600m)が行われる。ここでは
トライアルレースを勝った2頭の1週前の様子をお伝えしたい。
まずは
チューリップ賞を制した
ナミュール(牝、高野)から。デビュー2連勝を飾り、続く阪神JFでは1番人気に支持をされたが、出遅れが響いて4着。その後はゲート練習を入念に重ねて、前走はほぼ互角のスタート。直線で前が壁になったが、外へ持ち出すとメンバー最速の上がり3F33秒9の末脚で2着に1馬身半差をつけて突き抜けた。レースを振り返って、師は「
パトロール(ビデオ)で確認をしたら、少し前脚を上げるような感じでスタート。まだ油断はできないし、この中間も(ゲートの)練習をして臨む予定です」と万全を期す構えだ。「馬群に包まれて苦しい形から勝ち切れたのは良かったです。(1週前の)追い切りは予定よりも速い時計になりましたが、ケロッとしていました。体調も今回の方がいいと思いますし、このまま順調にいってレースを迎えられれば」とG1制覇へ期待を寄せた。
フィリーズRを勝った
サブライムアンセム(牝、藤原)は岩田望で参戦予定。田代助手は「短期放牧を挟んで、フレッシュな状態です。それほど(レース)間隔もあいていないので、(体調を)整える感じの調整でしたが、いい動きでした」と状態の良さに納得の表情。「一戦ごとにレースを覚えてきているし、体の
バランスが良くなったことで切れ味も増した印象。G1でも楽しみ」と3連勝でのG1獲りへ意欲を示した。
3月26日の3歳1勝クラス(芝1400m)を勝った
ケイアイオメガ(牡、梅田)。新馬戦をダート1400mで制した馬が、芝に転向をして無傷2連勝を飾った。その点について、師は「もともとは年末に芝でのデビューを予定していましたが、疲れが出たので予定を延ばす形に。初戦はその経緯がありましたので、脚元の負担を考慮してダートからになりました。初戦を使った後も特に問題はなかったので、2戦目は当初の予定通りに芝を使いました」と理由を説明した。前走のレース内容については「外から2着馬に来られてもかわされる感じはしませんでしたし、強かったです」と期待通りのレースぶりに目を細めた。今後については「決定ではありませんが、現時点では同じ距離の橘S(5月9日・中京、芝1400m)が視野に入っています」とコメントした。
同日の中京未勝利戦(ダート1800m)で
宮本博(みやもとひろし)厩舎の
ヒロシクン(セン)がデビュー8戦目で待望の初勝利を挙げた。新馬戦は勝ち馬から21秒8差の15着と大差負けだったが、その後に去勢をして徐々にレースぶりが良化。今回は初めて逃げる形の競馬になったが、鞍上の松田Jの1番枠を生かした好騎乗が結果に結びついた。師は「もともと能力はあったけど、集中して走っていない現状でした。一つ勝てて良かったです。でもまだ本気で走っていないので、いったん放牧に出して成長を促したいと思います」と話した。
君子蘭賞を逃げ切った
ヴァンルーラー(牝、吉岡)はフ
ローラS(24日・東京、芝2000m)へ。僚馬の
トゥーサン(牝)との2頭出しを予定している。京王杯2歳Sを制した後に骨折で休養していた
キングエルメス(牡、矢作)は
アーリントンC(16日・阪神、芝1600m)で復帰予定。
トレセンでは2歳馬ゼッケンも徐々に増えてきました。サウジアラビアのレッド
シーターフHC(G3、芝3000m)、ドバイのドバイゴールドC(G2、芝3200m)を連勝中と大活躍の
ステイフーリッシュの異父妹
マラキナイア(牝2歳、吉岡、父
ジャスタウェイ、
母カウアイレーン)が栗東へ入厩。「小柄な割に跳びが大きくて、いいフットワークをする馬ですね」と田嶋助手の感触は上々だ。(馬三郎栗東支局・塩手)
提供:デイリースポーツ