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【ニュージーランドT】上昇気流に乗ったサーマルウインド! ここ全力投球の馬狙いがセオリー/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2022年04月07日(木) 18時01分
 ニュージーランドT(9日、中山芝外1600メートル=3着までNHKマイルC優先出走権)はかつてはNHKマイルCの王道トライアルだった。2011年グランプリボス、12年カレンブラックヒルらが、ここをステップに本番で勝利し後も飛躍を遂げたが、近3年当レース経由馬は<0・0・0・12>。馬券圏内には一度も食い込めておらず、本番との関連性は急速に薄まってきた。それに伴うように日本グレード格付け管理委員会から19、20年のレーティングが3歳GIIの基準を満たしていないと警告を受けただけに時計を含め、レースレベルの底上げが求められる。

 しかし、今年は登録の段階でフルゲート割れの12頭。さらに重賞連対実績があるのはマテンロウオリオンだけでは、GIII降格の流れを食い止めるには厳しいと言わざるを得ない。某調教師も「トリッキーな中山マイルと本番の東京マイルとでは、求められる適性が違うから、ニュージーランドTで好走したからといって、本番とはリンクしにくい。それと、近年はゆったりしたローテで本番に向かうのが主流。中3週のローテはちょっとタイトかな」。ステップレースとしての適性に疑問を投げかける。

 実際、一昨年のNHKマイルC勝ち馬ラウダシオンファルコンSから中6週、昨年の勝ち馬シュネルマイスター弥生賞から中8週と間隔を取って勝利している。当レースが敬遠されがちなのはやむを得ない流れか。

 ただ馬券的観点からいえば3年連続1番人気が馬券圏外と妙味十分の結果が続いている。また、近3年の勝ち馬は全てマイルの平場(未勝利、1勝クラス)勝ち上がりからの参戦。本番を見据えた実績馬より、ここに全力投球の馬を狙うのがセオリーだ。

 そこで狙ってみたいのがサーマルウインド。今回と同舞台の前走で馬群をこじ開けて差し切った走りが印象深い。牝馬で賞金的にも桜花賞出走は可能だったが、奥村武調教師は「適度に時計がかかる馬場の方が合っているし、まだ線が細いので中2週で阪神への輸送という負担も考慮してここへ」と経緯を語る。さらに「東京で未勝利勝ちした時は長く脚を使わせる方がいいのかなと思ったので、前走は好位から抜け出す競馬は想定していなかった。

 岩田康騎手がレースで集中させて一瞬の脚を生かす競馬をしてくれた。いつもより促して行っても折り合えたし、馬群の中でもヒルまず、最後も2着馬が来るとまたひと伸びしたように勝負根性もある」。新たな一面を披露し、収穫が多い内容だった。

「中2週でもノーザンファーム天栄でしっかりチェックしてもらって問題はなかったし、帰厩してからの状態もいい。まだまだ成長の余地は残るけど引き続き同じ舞台。うまく立ち回れれば」の言葉から、上昇気流に乗った今なら重賞でも十分脈ありとみた。

(美浦の高配請負野郎・松井中央)

東京スポーツ

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