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【皐月賞】オーナー田原邦男氏 “オニャンコポン”で大一番 購入時「最後にしようと」

デイリースポーツ
  • 2022年04月12日(火) 21時13分
 「皐月賞・G1」(17日、中山)

 そのユニークなネーミングからも人気急上昇中のオニャンコポン(牡3歳、美浦・小島)が、いよいよ牡馬クラシック第1冠にチャレンジする。オーナーは田原邦男氏(54)。「この馬で駄目なら」と馬主人生をかけて臨む大一番を前に意気込み、馬名に込めた思いなどを聞いた。

 ◇  ◇

 -京成杯は見事な勝ちっぷりでした。

 「ホープフルS(11着)がふがいなかったので本当にうれしかった。熱発の影響もあったにしても、あんなに負ける馬じゃないと思っていましたから。今までにない、中団で脚をためる競馬ができたのも良かったです」

 -オニャンコポンは19年の当歳セレクトセールで落札。

 「エイシンフラッシュの子が欲しいと思っていて、値段的(下から4番目の800万円)にも自分にとって幸運でした。ただ全体的に細くて、どうなのかなと心配でした。育成場からもいい評価が聞かれず、毎月の報告書には“順調”としかなくて」

 -それがデビューしてから2連勝。

 「強いなぁと思いましたね。と同時に、これはひょっとしたら、とも」

 -競馬に興味を持つキッカケは。

 「自分が川崎生まれで、母の実家が中山競馬場の近く。競馬には縁があったんです。ただ、当時は“怖いおじさんがいっぱいいるから、行っちゃいけない場所”と言われていました(笑い)。それが大学生の頃、オグリキャップをはじめとした競馬ブームがやって来て、自然と興味を持つようになりました」

 -馬主になろうと思ったのは。

 「松嶋菜々子さんが好きで。主演ドラマ『やまとなでしこ』(00年フジテレビ系)で、合コンを繰り返す客室乗務員の主人公が、馬主バッジをつけた相手に夢中になる回があって。それを見て馬主になろうと(笑い)」

 -小島茂之調教師との出会いがあった。

 「一口馬主からスタートしたんですが、そのうち(クラブが)個人馬主へサポートしてくれて。そこで開業(03年)したばかりの小島調教師を紹介していただきました。もう20年来のお付き合いですね。最初に持ったのがロイヤールハントでしたが、2戦目のレース中に心臓マヒを起こして死んでしまって。そのこともあって、2つ下の妹ブラックエンブレム(黒い紋章=姉を悼む意)を購入できることになりました」

 -そのブラックエンブレムで08年秋華賞を制し、G1初制覇。

 「人気はなかった(11番人気)けど、ゴールした瞬間は天にも昇る気持ち。フワフワと体が宙に浮いている感じでした。京成杯を勝った時も同じでしたよ」

 -オニャンコポンは馬名的にも注目されている。

 「ここ何年か勝てなくて、馬を持つのはこれを最後にしようと思ったんです。今まで横文字の馬名が多かったけど、日本で生産されて、日本で調教をして、日本で走らせるのだから、最後は日本的な響きを持ったものと思って。ネコが好きなのもあって、かわいらしい名前でネコ好きの人にも喜んでもらえるかなと。それにこれまでスタートの良くない馬ばかりだったので、スタートを“ポン”と出てほしいという願いもありました」

 (続けて)

 「調べていくと西アフリカの言語(アカン語)で“偉大な者、天空神”という意味を持つことを知って、速そうだなと。あとは、おニャン子クラブのファンだったんです。もちろん、『進撃の巨人』のキャラクターというのも知っていましたよ。アニメ好きで原作も読んでいましたから」

 -本番まであと数日。

 「皐月賞ストラスアイラ(05年ディープインパクトの14着)以来2度目。強い相手ばかりで強気なことは言えませんが、中山の急坂も苦にしないし、挑戦者として、直線を力強く駆け上がってきてくれることを期待してます。“全集中”で応援します」

 ◆田原邦男(たはら・くにお) 1967年10月27日生まれ、54歳。神奈川県出身。慶応大学経済学部卒業。会社経営。02年にJRA馬主登録を行い、これまで35頭を所有。主な活躍馬はブラックエンブレム(08年秋華賞、フラワーC)、オニャンコポン(22年京成杯)。趣味は「競馬だけです!」。血液型B。

提供:デイリースポーツ

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