「
中山グランドジャンプ・JG1」(16日、中山)
絶対王者は健在だった。1番人気に支持された
オジュウチョウサンが、先に抜け出した3番人気の
ブラゾンダムールをゴール前でかわしてV。2年ぶり6度目の制覇を決めて、自身の史上最多記録を更新するJ・G1・9勝目を挙げた。また、11歳馬としては、JRA所属馬で初めての重賞勝ちとなった。3着には5番人気の
マイネルレオーネが入った。
この舞台で負けるわけにはいかない。先にスパートして先頭で最後の直線に入った
ブラゾンダムールに、外から
オジュウチョウサンが猛然と迫る。激しいデッドヒート。最終障害をクリアして急坂を駆け上がると、オジュウがグイッと前に出た。場内から大歓声が湧き起こる。1馬身1/4差をつけてゴールした瞬間、石神は左手で力強く
ガッツポーズ。6連覇が懸かった21年は、まさかの5着に敗退。それだけに2年ぶりの勝利にかける執念には並々ならぬものがあった。
J・G1・9勝を含む重賞15勝目、同一重賞6勝目、そして7年連続重賞勝ち。数々の記録を更新する
メモリアルVに、鞍上も「素晴らしいの言葉しかありません。直線ではかわす手応えを感じていたし、後ろから何も来なければ勝てると思っていました」と賛辞を惜しまない。自身も史上16人目のJRA障害通算1000回騎乗を達成、さらに白浜に並ぶ史上1位タイの障害重賞21勝を挙げて喜びもひとしおだ。
和田郎師は「一時期は崩れていたけど、最近はまた飛越が安定してきました。さすがに年齢的にダメージが出やすくなっているが、馬の様子を見て暮れの大一番へ」ときっぱり。J・G1・10勝目の金字塔を目指す年末の
中山大障害(12月24日・中山)を見据えた。
提供:デイリースポーツ