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【フローラS】ルメールが新しいグランアレグリアと絶賛したラスール 宮田流でつかむ樫切符/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2022年04月22日(金) 19時10分
 激戦となった桜花賞に続く、牝馬第2冠オークスに向けての重要なトライアルがこのフローラS(24日、東京芝2000メートル=2着までにオークス優先出走権)。粒揃いのメンバーが集結する中でも今年、一番の注目を集めるのは、あの名手ルメールが「新しいグランアレグリア」と絶賛したラスールとなろうか。

 逸材を新たに管理することになった宮田調教師にとっては、いきなり勝負の一戦を迎えるわけだが、プレッシャーはそれだけではなかろう。何せ譲り受ける形となった藤沢和元調教師(現JRAアドバイザー)は自身の憧れの存在だったのだから…。

 少年時代、父親に連れられて東京競馬場で見たバブルガムフェローの雄姿。グレード制導入以来、初めて3歳馬が天皇賞・秋(1996年)を制する瞬間をまぶたに焼き付け、心は自然と偉大な馬を育て上げたトレーナーに向いた。

 紆余曲折を経て調教師免許を取得。開業前には憧れの藤沢和厩舎を訪ねた。JRA1570勝を挙げた競馬界の“生ける伝説”から、美浦をけん引する若きリーダーへ受け継がれたものとは…。研修中に感銘を受けたのは「馬にもプライドがあることを忘れるな」という言葉だった。

「馬は大切なパートナー。馬の気持ちを尊重し、人本位でなく、まずは馬本位に考えることが大事だと教わりました」

 目を凝らして徹底的に馬を観察し、常に馬の目線で物事を考える。この“藤沢和イズム”こそが、宮田調教師の太い幹となり、ラスールの馬づくりにも生かされている。

「雰囲気はいいですよ。これでもう一段上がってくれば。先生に相談したら“好きなようにやりなさい”と言ってくださいました。恐れずに勇気をもってやっていこうと思います」

 今回は一気に距離を延ばすため、トレーナーは調教に乗り慣れた杉原の意見などを参考に、メンコを試すなど、ありとあらゆる工夫を凝らしている。「2戦目(シンザン記念7着)に見せたように、テンション次第ではモロい面も出しますから…。難しいですね」。そう、細心の注意を払いながら、馬目線で調教を重ねているのだ。

 そんな宮田調教師、実は藤沢和元調教師とは「ゴルフ仲間」でもある。「数年前にコンペで同じ組になって以来、何度か誘っていただきました。私は初心者なので、先生から道具を譲っていただき、大切にしています。お上手なので、腕ではとても追いつけませんけどね」と苦笑する。もちろん、ゴルフの腕だけでなく、調教師としての手腕も、プライベートな付き合いの中で盗んだものがあったのではないか。

 藤沢和元調教師から譲り受けたピカピカに磨き上げられたゴルフクラブ同様、宮田調教師が試行錯誤しながら仕上げてきたラスールもまた、ターフの上でまばゆいばかりの光を放つに違いない。

(美浦の唯一無二野郎・垰野忠彦)

東京スポーツ

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