「
地方競馬記者コラム 仕事・賭け事・独り言」
5月5日に園田競馬で行われる重賞・兵庫大賞典の予備登録馬が発表された。今回は2022年前半の兵庫競馬で、最も注目を集めるレースになるだろう。兵庫現役最強馬ジンギと新星
シェダルが初対戦する。
シェダルを管理する
長南和宏調教師(51)は、楽観も悲観もせず、冷静に現状を見つめている。
「今の(
園田競馬場の)馬場状態は先行有利。それまでに砂を入れて欲しいが…。
シェダルは出遅れるところがあるけれど、ジンギは前に行く。
シェダルもすんなり出ていかないと、今のままでは苦しい」
シェダルは昨年12月にJRAから兵庫競馬に転入した5歳牡馬。古巣では3勝クラスを含めて10戦4勝。
地方競馬に活躍の場を変えてからは、ここまで5戦4勝。転入後の勝利は、いずれも早め先頭からの押し切り。園田での4連勝は全て上がり最速を記録して、圧倒的なスピードを見せつけている。
地方移籍後、唯一の黒星は3走前の名古屋遠征。重賞の
梅見月杯で3着に敗れた。2周目の向正面で中団から進出し、鞍上はムチを連打。しかし、それまでのスピードとキレが見られず、地元馬2頭の後塵(こうじん)を拝する結果に終わった。
「名古屋は良かったが、終わってから調子を崩した。本格化はこれから。もう1段階、上がると思う。今は毛並みがまだまだ。2センチくらいあって長い。短く生え替わって、馬体が芯から光るような感じの毛ヅヤになれば、本格化する。内臓から強くなって、そこまで成長すればね。そこまで行くか、行きそうな感じで今のままなのか。現状は80パーセントぐらいの成長」
兵庫大賞典と同じ1870メートル戦は前走で経験。2着に7馬身差をつけて圧勝した。距離の課題は既に克服している。今回は20パーセントの伸びしろを残したまま、ジンギに挑むことになるのか。
シェダルが勝てば今年の年度代表が視野に入ってくる。レース当日までに
シェダルの馬体はどれだけ輝きを増すのか。その一点が勝敗を分けることになるのかもしれない。(園田・姫路競馬担当 中山伸治)
提供:デイリースポーツ