認定NPO法人引退馬協会所有の
ナイスネイチャが、去る4月16日に満34歳の誕生日を繋養先の北海道浦河町にある渡辺牧場で迎えた。引退馬たちの現状を広く知ってもらい、第二、第三の馬生への橋渡しをしたいという考えのもと、
ナイスネイチャが29歳を迎えた2017年から「
ナイスネイチャ・
バースデードネーション」を行ってきたが、昨年はウマ娘ブームに乗って目標金額を大きく上回る寄付が集まり、繁殖のステージで頑張ってきた12頭の馬たちが命を繋いだ。
今年は「再就職支援」をテーマに4月16日から5月15日の1か月の間、寄付を募っている。
引退馬協会では2011年から競走を引退した馬の再就職に取り組む「再就職支援プログラム」を行っており、プログラムではこれまで32頭の引退馬を受け入れて、乗馬としての初期馴致や再調教(リトレーニング)を経て、27頭が卒業している。卒業馬たちは希望者に無償で譲渡され、主に乗馬や
コンパニオンホースとして第二の馬生を過ごしている。譲渡に際しては、希望者とのマッチングを行い、適材適所へと送り出すという形だ。譲渡後も引退馬協会では長くパートナーホースとして活躍できるように、継続的な見守りを実施している。
今回のドネーションに寄せられた寄付は、この再就職支援プログラムにかかるリトレーニング費用(馬の預託料、調教料、獣医療費)にあてられる。
また競馬から引退した馬は体に痛みを抱えている場合が少なくなく、そのためにトレーニングの効率が悪かったり、歩様が良くないという理由から、乗馬への道を断たれたケースも多い。今回のドネーションで集まった寄付は、体に故障や痛みのある馬が切り捨てられることなく、プログラムに入る前に安心して治療・療養・リハビリを経て、再就職支援プログラムへと進むための医療費補助や療養奨励費にも使われることとなっている。
ドネーション開始当日早々に当初の目標額 5頭分850万円に達したことを受けて、新たに3頭分510万円を追加した1360万円の目標額をも超えたように、昨年同様、反響は大きい。さらに多く寄付が集まれば、再就職支援プログラムに入れる馬が増える可能性もあるだろう。
1頭でも多くの馬たちが
セカンドステージに進めるよう、
ナイスネイチャへのお誕生日祝いの気持ちを寄付にかえてみるのはいかがだろうか。
(文・佐々木祥恵)
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