競馬の予想にとって、馬場状態の予測は重要な要素のひとつである。そして馬場状態の予測には、天気予報のチェックが不可欠である。ことこの重賞を予想するにあたって私は、能力表よりも、雨マークが点在する日高門別の天気予報と長く見つめ合わなければならなかった。
その最も大きな理由は、実績で頭ひとつ抜けた存在であり、人気が予想される
アザワクが、馬場状態によってパフォーマンスレベルを大きく左右される馬だからである。およそ普通の馬場ならいざ知らず、今シーズンの門別が特筆するほどタフな馬場であるから、余計に神経質になったわけだ。
アザワクは昨年、これまで勝ち鞍のなかった1200mで2勝を挙げ、“1000mの鬼”から“トップス
プリンター”へと成長を遂げた。ただそれでも、道営ス
プリントがそうであったように、道悪で真価を発揮するタイプであることは変わりない。上位の評価をするのは当然だが、降水量が読み切れない天気予報ゆえに、絶対的な信頼は保留することにした。
そこで着目したのが、
JRAからの転入初戦となる
スギノヴォルケーノだ。ダート経験は5走前の
京葉Sのみだが、ダートが合わないという内容ではなかった。ここに向けた門別本馬場での調教内容などからも、無難にこなせるはずだ。スピード一辺倒のタイプは門別1200mと相性が良くないが、好位でうまく立ち回れるこの馬なら問題ないだろう。
JRAオープンの実力を信頼してみたい。
アザワクと二枚看板をなす角川厩舎の
スティールペガサスは、前走で今シーズンのタフな馬場をクリアしたのが強みである。道営ス
プリントではクビ差の2着だから、馬場状態いかんによっては、僚馬に先着する可能性もあるだろう。
フジノパンサーは無類の堅実派で、久々の重賞挑戦でも相手には押さえておきたい。
ケイアイサクソニーは実績ではスギノと同格だが、ダート戦の経験がないこと、レースぶりに注文がつきそうなタイプであることから、連下評価に留めた。
(文:競馬ブック・板垣祐介)
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