今週も「東京・中京・新潟」の変則3場開催。
東京ステージのGI連戦は、ここからいよいよ
クライマックスへ突入となる。その日曜日メインは芝マイル女王を決めるGI・
ヴィクトリアマイル(東京芝1600m)がスタートする。
先週のGI・
NHKマイルCでは、ここのコラムでも指摘したようにレース相性良い8枠
ダノンスコーピオンが1着。そして
ダイワメジャー産駒の
マテンロウオリオンが2着となった。あとは「2桁人気馬を積極的に入れる」という戦略までは指摘できたが、18番人気の3着
カワキタレブリーまで押さえられた方がどれくらいいたか…。
今週も波乱ありそうな一戦。いつものように過去10年データを使って、レース傾向と馬券のヒントを探っていきたい。
1 1番人気馬が馬券になる確率は50パーセント?
いつものように、まずは人気上位馬の成績チェックから。
まず1番人気馬は、過去10年で3勝。
ヴィルシーナ(13年)・
アーモンドアイ(20年)・
グランアレグリア(21年)が勝っている。成績は【3-2-0-5】。勝率30パーセント・連対率50パーセント・馬券圏内キープ率50パーセントである。先週の
NHKマイルC、先々週の天皇賞春とほぼ同じレベル。信用度はさほど高くないといえる。先週も「1番人気の単勝を買うのは妙味ない」と書いたが今週も同じような傾向にある。
ちなみに2番人気馬は過去10年で0勝だ。成績は【0-0-1-9】、GIの上位人気にしては最悪ともいえる成績である(唯一馬券になっているのは16年3着の
ショウナンパンドラだけ)。傾向を汲むならば、今年も2番人気バッサリという戦略もあるだろう。
さらに3番人気馬も同じような成績で【0-1-1-8】。4番人気馬が【1-2-0-7】。5番人気馬が【2-0-3-5】。これだけを見ていると、上位人気馬同士を買うのがあまりお得ではないことがわかってくる。
ただ、近2年は1番人気馬の2連勝中。人気馬から流すのかそれとも人気薄馬から流すのか。今年はここがかなり悩ましい選択である。
2 歴史に残る「あの大波乱」は再び起こるのか?
ヴィクトリアマイルといえば、15年に起きた大波乱を思い出す人も多いはず。
1着は5番人気
ストレイトガール、2着12番人気
ケイアイエレガント、3着18番人気
ミナレット。3連複286万円、3連単はなんと2070万円台に乗る歴史的大波乱である。
ポイントは大外から大逃げした
ミナレットの粘り残り。
ヴィクトリアマイルではほかの波乱年にも人気薄の逃げ残りパターンはあるので、これは常に気にしておきたい。
実際、この年以外も配当は荒れぎみ。馬連で10倍以下のガチガチ払い戻しは過去10年で1回だけ。馬連万馬券は2回出ている。3連単では15年以外でも10万円台以上になっていた年が4回。馬券スタンスとしては、荒れ前提でいいレースなのだ。
ただ
ヴィクトリアマイルでの荒れ傾向は周知の事実。荒れるバイアスは人気分散につながることだろう。軸を決めたら人気サイドから人気薄まで広く流すというのが正攻法となるだろう。
3 7番人気以下の人気薄の狙い方とは?
仮に「7番人気以降」を人気薄と仮定すると、過去10年でも12頭が馬券圏内になっている。これを「2桁人気馬」に絞っても7頭が馬券圏内になっている。
これをさらに広げて過去15年分データにしてみると、7番人気以降で馬券になっている馬は19頭にも上る。
じつは昨年、このコラムでその人気薄馬たちのパターンをカテゴリーに分けて指摘したのだが、一番多かったのは「近3走以内で牝馬重賞を勝っている7番人気以降の馬」だった。
昨年の時点では過去13年で6頭。当てはまる候補馬として、昨年は4頭の名前を挙げたのだが、そのなかの
ランブリングアレー(10番人気)が見事に2着になってくれた。1番人気
グランアレグリアとの組み合わせでも好配当だったのだ。
今年も狙いたいのはそのパターン。7番人気以降になりそうな馬では、
テルツェット、
ミスニューヨーク、
メイショウミモザ、
クリノプレミアムあたりが当てはまる。またこの人気薄食い込みの波乱シーンがあるのかどうか。レースを楽しみにしたい。
(netkeiba編集部)