「
オークス・G1」(22日、東京)
駆け出しの頃、担当していた加藤敬二厩舎(18年に定年解散)のスタッフには大変お世話になった。当時はまだ、ファンの頃に熱狂した
ノースフライトの残り香があって、厩舎には活気があり、番頭格の夏村洋一助手のコメントも“絶口調”。94年マイルCSで
サクラバクシンオー陣営に対し、「かかってこんかい!」とけんかを売ったほどの強気節は、毎週のようにビシビシ。令和の今ではあり得ない話になりましたね。
私にとって一番の思い出は98年
オークス。加藤敬厩舎は
忘れな草賞を制した
エリモエクセルと、「
オークスで良さそう」とひそかに期待していた
ラティールの2頭を送り込みました。馬券的中へ、血気盛んだった私は、どストレートに洋一さんに聞きました。「どっちが勝ちますか!?」。
さて、皆さん。どのような答えが返ってきたと思いますか?
洋一さんは私の目をじ〜っと見つめて…。「マジで(1着)同着かも知れんぞ!」って言いました(笑)。
ただ、2枚の単勝馬券を握りしめていた私は、レース後に洋一さんの言葉が本心だったと気づかされます。ラスト1Fは「もしや、ワンツーでは!」と思わせるほどの勢い。
ラティールは最後に力尽きて4着に敗れたものの、鋭く脚を伸ばしたエクセルは見事に樫の女王に輝きました。
今回紹介する
コントディヴェールは、同着Vを夢見た
ラティールの孫で、母は重賞4勝を挙げた
ヒットザターゲットの全妹。
キタサンブラックの父として知られる
ブラックタイドとの混じり気のないアウトブリードは、2400メートル戦を勝ち抜くだけのタフさを期待させます。現段階では抽選対象ですが、出走がかなうようなら、夢の続きを追い掛けてみたいですね。(デイリースポーツ・松浦孝司)
提供:デイリースポーツ