今年で89回を数える、3歳クラシック最高峰のレースに、栄えある18頭の優駿が挑みます。今年のダービーは、「近年稀に見るハイレベルな大混戦」と言えるでしょう。強い競馬をした
皐月賞馬ですら1番人気を譲る可能性が高く、人気の上では「4強」の大混戦になりそうです。
その
皐月賞ですが、勝ち時計の1分59秒7は、稍重に近い時計のかかる良馬場だったことを考えるとかなり優秀な時計です。更に6着馬までが勝ち馬から0秒4差の接戦で、これは舞台替わりや状態の変化などのきっかけ一つで逆転可能な差だと言えます。よって今年は例年にも増して
皐月賞上位組が有力と見ています。
まずは
皐月賞馬の
ジオグリフです。力の要る馬場をものともせず、中団待機から直線で勢い良く伸びてきた脚は、着差以上の強さでした。東京コースに替わって時計の速い馬場への対応がカギですが、当然最有力の1頭でしょう。
次に、
皐月賞で1馬身差2着だった
イクイノックスにとってはGI制覇の大きなチャンスでしょう。前々走で東京コースの重賞を上がり32秒9の決め手で差し切っており、コース替わりは歓迎です。ここに照準を合わせたローテーションにも好感が持てます。
3着の
ドウデュースには巻き返しの期待がかかります。
皐月賞は思ったほどペースが上がらず、上がり最速の脚で追い込むもあと一歩届きませんでした。直線の長いコースに替わって、自慢の末脚が存分に生かせるでしょう。
4着だった
ダノンベルーガには、コース替わりでの変わり身が見込めます。東京コースでは2戦2勝と得意にしており、川田騎手とのコンビも2戦目で前走以上が望めます。
以下、5着だった
アスクビクターモアや、6着の
オニャンコポンも着差は僅かで力はあります。前者はマイペースで逃げられれば、後者は発馬五分で流れに乗れれば十分チャンスはありそうです。
一方、別路線組では
青葉賞を勝った
プラダリアに注目しています。初めての一線級相手の競馬で楽ではないですが、良化の余地を残しながら差し切っており、ここでどんな走りをするか見ものです。
距離やコース形態、馬場状態の違いから、抜けた馬でない限り
皐月賞とダービーの結果は必ずしも直結していません。しかし今年の
皐月賞は決め手を生かすタイプの馬が上位を占めており、東京コースに替わってより力を発揮できそうなことから、
皐月賞上位組が有力と見ています。
最終的には枠順や各馬の状態をチェックした上で結論を出したいと思います。(文=予想家・らん)