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ディープインパクトという高い壁
いよいよ今年の2歳馬が稀代の名馬
ディープインパクトのラストクロップです。数少ない最終世代の中からダービーに駒を進める馬が出ることを願いますが、もしそうならなければダービーで産駒を見られるのは今年が最後になってしまいます。
ディープインパクトは2011年のダービーに初めて産駒を送り込むと、翌2012年には早くも
ディープブリランテが勝利。以降、昨年までの10年間で7勝と言う驚異的な新記録を打ち立てました。この間他の種牡馬の産駒は
キングカメハメハ産駒が2勝、
ハーツクライ産駒が1勝。
ディープインパクトより後にデビューした種牡馬は未だ一頭も
日本ダービー馬を送り出していません。今年こそ、この高い壁を越えてダービー馬を送り出す種牡馬が現れるのか、という視点から見ても楽しみな一戦です。
■有力馬の評価
皐月賞組では、勝った
ジオグリフ以上に「負けて強し」の印象だった何頭かが人気になりそうです。
イクイノックスが一番人気有力でしょうか。何といってもこの世代の2・3歳戦で先週までに79勝を挙げた
ルメール騎手が、ダービーでの騎乗馬に選んだ馬。東京スポーツ杯を勝った後に
皐月賞に直行するという異例のローテが採用されましたが、その分フレッシュな状態を維持しているのは間違いないでしょう。
皐月賞4着の
ダノンベルーガも巻き返しの余地が大きそう。
皐月賞では当初から右のトモの
バランスが悪く右回りでは不安が大きいことを陣営が示唆しており、加えてレース当日は外有利のトラックバイアスの中、内を回る競馬をして不利が大きかったと言えます。この前走評価が正しけば、ダービーでの上積みは大きい筈です。
■伏兵候補
ダービーでは昨年まで4年連続で単勝オッズ40倍以上の馬が馬券圏内に激走していることも踏まえ、伏兵候補の精査にも万全を尽くしたいところです。
アスクビクターモアは
皐月賞では5着に敗れたとはいえ、外が伸びる馬場で逃げて0.4秒差なら全く悲観すべき内容では無いでしょう。
ロジャーバローズ、
コズミックフォースなど先行馬が穴を開けているレースでもあります。
馬券的な興味も尽きない一戦になりそうですが、何よりも後世に語り継がれる様な素晴らしいレースになることを期待します。枠順確定後に掲載予定の予想もぜひご参照下さい。(文=予想家・久米島ブルー)