「
日本ダービー・G1」(29日、東京)
夢舞台を前に胸が高鳴る。
デシエルトで大一番に挑む安田隆行調教師(69)=栗東=は、開業28年目にして意外にもダービー初挑戦だ。21年は20年の最優秀2歳牡馬
ダノンザキッドが直前の骨折で無念の回避。「今まで調教師を続けてきて、競馬の祭典に出られないのが本当に悔しかったですが、今年やっとチャレンジできてうれしい。周りもビックリしているのか、反応がすごいです」と、ここまで駒を進めることの難しさ、そしてそれを乗り越えた喜びを同時にかみしめた。
騎手時代には91年に
トウカイテイオーでV。G1初制覇だった
皐月賞から連勝で2冠を達成し、万雷の“安田コール”を浴びた。あれから31年。「あの時とチャレンジ精神は変わりない」と時代や立場は変化しても、胸に秘める
マインドは今も不変だ。
「ダービーはサラブレッドの頂点を決めるレース。本当に出走できてうれしいし、初めての挑戦で勝つという、劇的なシーンもあるかも」。定年解散まで2年を切った大ベテラン。千載一遇のチャンスを生かし、史上4人目となる騎手&調教師でのダービー制覇を目指す。(デイリースポーツ・山本裕貴)
提供:デイリースポーツ