「
日本ダービー・G1」(29日、東京)
21年の最優秀2歳牡馬
ドウデュースが、1番人気で3着に敗れた
皐月賞のリベンジを果たし、見事に同世代7522頭の頂点に立った。管理する
友道康夫調教師(58)=栗東=は、16年
マカヒキ、18年
ワグネリアンに続き、現役単独トップとなるダービー3勝目。秋には頼れるレジェンドジョッキーとともに、堂々と
凱旋門賞(10月2日・仏パリロンシャン)に挑戦する。
強い2歳王者が帰ってきた。直線残り1F過ぎ、
ドウデュースが堂々と先頭へ。525・9メートルの長い直線を目いっぱい使った息の長い末脚で、
弥生賞ディープインパクト記念(2着)、
皐月賞(3着)であと一歩届かなかった悔しさを晴らし、世代の頂点へ立った。
前日から気温が高く、29日の府中市の最高気温は29度。暑さとの戦いも懸念されたが、当日の朝、馬房にいる愛馬を見た時に友道師は「いい状態」と自信を深めたという。「
弥生賞、
皐月賞と負けましたが、内容は勝ちに等しい。出走馬中一番強い競馬をした。府中の紛れのないコースで力通り走ってくれれば、一番強いと思っていました」と管理馬を信じ、馬自身がその信頼に2分21秒9のレースレコードでのVという最高の結果で応えた。
これが16度目のJRA・G1勝利となった友道師にとって、ダービーは3度目の制覇。現役では単独トップで、歴代でも8勝の尾形藤吉調教師に次ぐ2位タイだ。まだ58歳の名トレーナーは「
武豊に憧れてこの世界に入った人間ですから、ユタカを起用してダービーを勝てて感無量です」と喜びをかみしめた。
ダービーで好結果が出れば、秋はフランス遠征というのは陣営内の決定事項。「恥ずかしくない成績でフランスに、と思っていた。1番いい結果を出せた」と師。かつて
マカヒキで
凱旋門賞に挑戦した16年は14着に終わったが、その経験値は後輩ダービー馬に生かされる。
ドウデュースの環境の変化に動じるところがない精神面の強さは、海外遠征に大きな味方となるはずだ。ダービーから、再び夢は世界へとはばたく。
提供:デイリースポーツ