1周距離1600m、直線の長さ330mを誇り、カーブも緩やかな
門別競馬場は、特色豊かな
地方競馬場の中でもクセのないコースである。外回りはペースの緩急がつけやすく道中の駆け引きもあり、
地方競馬場では大井に次ぐ長さの直線をフルに使った追い比べもあり、あらゆる馬が実力を発揮しやすいコース形態だ。
ただし、砂厚は12センチと全国
トップレベルに深く、砂質のせいか、近年ではその数字以上にタフな馬場コンディションになっている。この馬場への適性は馬によって差が出やすく、今回のような交流競走では特に重要な
ファクターと言える。
北海道スプリントCは、全国の古馬ダート
グレードの例に漏れず、基本的に
JRA勢が優位だ。今年も
JRA勢4頭の中から勝ち馬が出る可能性が高いが、上記の
ファクターを適用すると、昨年、門別のタフな馬場をクリアして優勝を争った
ヒロシゲゴールド・
リュウノユキナの2頭を上位に考えるのがベターである。
昨年の2頭の差は1/2馬身で、十分に逆転が可能な範囲だ。昨年の
リュウノユキナは馬体増が影響した感がある。ローテーションは昨年とほぼ同じでも、坂路オンリーの調整だった昨年と違い、今年はコース調教を併用して意識的に馬体を造っている点が好材料だ。昨年あった1キロの斤量差が無くなる点も踏まえ、筆者は逆転が叶うと見た。
ヒロシゲゴールドは揉まれない先行策が好走条件だが、今年も外のいい枠順を引き当てた。前走のようなスタートのアク
シデントさえなければ、昨年と同等の走りが見込めそうである。
一昨年の
マテラスカイもサウジアラビアからの帰国緒戦でややパフォーマンスを落としたが、
ダンシングプリンスにも同様の難しさはあろう。馬場への対応とともに、状態面が鍵を握る。その観点からすれば、
スマートダンディーの評価を相対的に上げていい。
地元勢の代表は、9歳にして今が充実期の古豪
フジノパンサーだ。対応できる時計の決着になれば、浮上の余地はある。
(文:競馬ブック・板垣祐介)
ホッカイドウ競馬特集ページはこちら!