「
安田記念・G1」(5日、東京)
“さすがG1ジョッキーになると、マスコミに囲まれっ放しだね”。冷やかしの声が取材中、あちこちから飛んでくる。これが“まるちゃん”こと
丸田恭介騎手(36)=美浦・フリー=の人柄だ。
ナランフレグと挑んだ
高松宮記念で、デビュー16年目にして悲願のG1初制覇。師匠・宗像師にも初の
ビッグタイトルを届けた。両手をいっぱいに青空へ広げて満面の笑み、そしてその後の涙…。全てが印象に残った。
「G1を勝ちたいと思って騎手になった。今でもうれしく思うけど、基本的には変わらないです。まだ(今年)4勝ですから(笑)。緊張はあるけど、今は、それを楽しめるようになりました」
あれから2カ月半。2階級制覇を狙い、相棒とマイルの大舞台に駒を進めてきた。大目標は秋の
スプリンターズSだが、十分に手応えを持っての参戦だ。
「前走で狭いところを割ったように精神面でも充実し、完成の域に入ってきた感じです。やってみないと分からないけど、掛かるタイプじゃないので。今なら挑戦してもいいし、その価値はあるんじゃないでしょうかと、自分も先生にお話しさせていただきました」
デビューからコンビを組み、全てを知り尽くすパートナー。ともに磨きを掛けてきた末脚で、再び歓喜のシーンをつくるか-。(デイリースポーツ・村上英明)
提供:デイリースポーツ