先週までの新馬戦(新馬戦開幕〜12日まで)は10頭前後の頭数に落ち着くレースが多く、最も頭数が多くなったレースで東京芝1400mの16頭立て。フルゲートは18頭なので、除外は出ておらず、ここまでは「出たいレースに出る」ことが難しくない番組が続いた。
ただ、今週の東京ダート1400m(6月19日)は、間違いなく除外が発生しそう。同日に阪神ダート1200mも行われるが、こちらは想定段階で頭数が落ち着いており、除外された馬が何頭か回ってくることも考えられるが「いきなり1200mよりも1400mから」という思考が強い陣営が多いから頭数に偏りが出るように思われる。
今年の出馬投票の内容次第では、来年以降に阪神でもダート1400mの新馬戦を行うことを検討していくべきではないだろうか。
【6月18日(土) 阪神芝1600m】
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ピヌスアモリス(牝、
父ハーツクライ、
母フォエヴァーダーリング、栗東・
松下武士厩舎)
半姉に函館芝1200mで新馬戦をレコード勝ちした
モンファボリ(父
Frankel)や、半兄に2020年セレクトセール1歳にて4億で落札された
ダノンマイソウル(
父ディープインパクト)がいる注目の血統。
本馬は5月6日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩して、5月12日にゲート試験を合格。その後も在厩して調整が進められており、6月8日のCWではレースで騎乗予定の
松山弘平騎手が跨って、6F81.5秒をマークして、3歳未勝利に先行先着した。ゴール前の動きにはまだまだ余裕があったが、5月中旬ごろの坂路での追い切りに比べて、動き自体がかなりしっかりしてきており、まさに週を追うごとに良くなっている印象だ。
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ガルヴァナイズ(牡、父
リアルスティール、
母カヴェルナ、栗東・
友道康夫厩舎)
おじには同厩舎で管理され、芝で4勝を挙げている
ジュンライトボルト(
父キングカメハメハ)がいる血統。
母カヴェルナは競走することなく繁殖に上がったが、3歳時から「素質は相当高いから」と
友道康夫調教師がかなり期待していた。
本馬は4月1日にノーザンF天栄から栗東へ入厩して、4月7日にゲート試験を合格。その後、放牧に出されており、デビュー戦をここに定めて栗東へ帰厩。CWでの追い切りを中心に進められており、6月8日はレースで騎乗予定の
福永祐一騎手が跨って、6F81.4秒をマーク。3頭併せの真ん中でプレッシャーのかかる追い切りだったが、この負荷でデビューへ向けての態勢がしっかり整ってくるだろう。
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ユハンヌス(牡、父
Frankel、
母ミッドサマーフェア、栗東・
大久保龍志厩舎)
母Midsummer Fair(
ミッドサマーフェア)は現役時代に
フローラSで重賞を制覇。そのきょうだいには、2020年
秋華賞で3着し、今週の
マーメイドSにも出走予定の
ソフトフルート(
父ディープインパクト)がいる。
私の本馬追い切りの初見が5月18日のCWだったが、この時が6F81.8秒。目標レースが1ヵ月も先にある段階でこれだけの動きを見せるあたりに素質の高さを感じた。その後も順調に追い切りを積み重ねており、6月9日はレースで騎乗予定の
岩田望来騎手が跨って、3歳未勝利に先行。時計は6F83.4秒と決して目立たないが、追いつかれることなく先着しており、時計以上に中身のある追い切りだったのではないだろうか。
【6月19日(日) 阪神ダート1200m】
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エクロジャイト(牡、
父ヘニーヒューズ、
母オージャイト、栗東・安田隆行厩舎)
おじには芝で5勝を挙げた
ブライトバローズ(
父キングカメハメハ)や障害競走で7勝を挙げた
サナシオン(
父シンボリクリスエス)がいる血統。
本馬は5月14日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩して、5月19日にはゲート試験を合格。その後も在厩して調整を進めており、6月2日にはレースで騎乗予定の
北村友一騎手が跨って、6F82.4秒をマーク。その後も坂路を併用しながら、週中のCW追い切りも積み重ねており、着々と出走態勢が整えられている。
(取材・文:井内利彰)