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カルロヴェローチェが急逝したオーナーの夢を継ぐ/POGマル秘週報

東京スポーツ
  • 2022年06月15日(水) 18時01分
「マテラ」「ヴェローチェ」の冠で知られる大野剛嗣氏が今年3月、50歳の若さで急逝した。ステラヴェローチェヴェローチェオロを管理する須貝調教師はこの訃報を聞いて人目をはばからず号泣。管理馬が父の照旺氏の名義に変わった後も、剛嗣氏とともに戦っていくことを誓った。

 そんな経緯もあって、今月26日の阪神芝外1800メートル新馬戦にルメールとのタッグで出走予定のカルロヴェローチェ(牡=父シルバーステート母スサーナトウショウ)は、番記者として常にマークし続けていかねばならない存在になる予感に駆られていた。

そして9日の追い切り動画を函館滞在中だった須貝調教師に送った橋本助手に、トレーナーのリアクションを教えてもらった時、その予感は早くも確信へと変わった。

「長い付き合いやけど、あんなにうれしそうな声してたんは初めてやったわ。まあ、期待している馬があれだけ動いたら、そうなるんやろな」

 開業当初から攻め専として厩舎を支えてきた橋本助手が「トレーナーのテンションが一気に上がった」と話す、その追い切りとは坂路4ハロン50.9-12.2秒を軽々と叩き出す、まさに出色の内容だった。

「もともと追い切り1本目(5日)に“4ハロン58秒前後くらいで”と思っていたら、楽な感じで54.2-12.8秒が出てしまって。道中で“速いな”とは思ったけど、無理に引っ張るのも良くないからね。その時に“走るな”と思った。

強い負荷をかけた後でも息が乱れないし、おとなしくて折り合いもつく。本当に優等生だよね。母系は短距離血統だけど、ボケーッとしたところもあるから距離も持ちそう」と担当の野見山助手もまた相当な手応えを感じているようだ。

 宝塚記念当日の芝外1800メートル新馬戦は例年、良血馬が揃うことで知られる。そんなハイレベル戦を制すれば、将来は約束されたようなものだ。

 ステラヴェローチェ皐月賞3着、ダービー3着、菊花賞4着。惜しくもクラシック制覇はならなかったが、須貝調教師にとって「冠ヴェローチェ」での戴冠は胸に秘めた悲願。大野剛嗣氏の遺志を継ぐカルロヴェローチェには夢が広がる走りを期待している。

(難波田忠雄)

東京スポーツ

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