「
宝塚記念・G1」(26日、阪神)
アフリカンゴールドの血統を語る上で、8つ年上の半兄
アフリカンストーリーの存在は欠かせない。種牡馬として成功を収めたヌレイエフ系ピヴォタルを父に持つ兄は、7歳にして14年ドバイワールドCをコースレコードで優勝した名馬。晩成型の上、セン馬でムラ駆けなのは兄弟でよく似ており、そのあたりは母系からの影響が大きいのだろう。
まして弟は、
オルフェーヴルや
ゴールドシップと同じ
ステイゴールドの産駒。ヤンチャ度合いは推して知るべしだが、西園正師は「成績が上がらなくなった時に、オーナーサイドから去勢を打診されてね。今でも馬っ気はあるんだけど、やっとここにきて去勢の効果が出てきた感じ。引き合いに出すのはおこがましいが、お兄さんと同じで本当に7歳になって馬が変わった。全体的に馬が膨らんできたんだよ」と両親から受け継いだ晩成の血に感心しきりだ。
母系をさかのぼるとダンジグやセクレ
タリアトの名があり、それらが兄をドバイの頂点へと導いた爆発力の源か。2走前の
京都記念で弟が見せた“特攻
スタイル”は、型にはまったときの爆発力が引き出されたものなのかもしれない。同型のラ
イバルは多いが、トレーナーは「今度はハナを主張するつもり。自分の形に持ち込んでどこまでやれるか」と戦法に迷いはない。
ちなみに師は御年66歳。馬に負けじとまだまだ若い。「僕は大器ではないけど、晩成型だと思っている(笑)。定年まで残り3年半。今のところ、いい感じで19勝(6月19日現在)挙げているし、22年は(12年43勝を上回る)キャリアハイを目指しているんだ」。大舞台での一発も魅力の西園正厩舎。
タムロチェリーや
エーシンフォワードのような、アッと驚くシーンを期待したい。
提供:デイリースポーツ