6月26日に阪神競馬場で行われる
宝塚記念(3歳上・GI・芝2200m)。果敢な先行力と粘り腰を武器に、前走の
ドバイターフ(G1)で同着優勝を果たした
パンサラッサ(牡5、栗東・
矢作芳人厩舎)が国内GI初制覇を目指す。
パンサラッサは父
ロードカナロア、
母ミスペンバリー、母の
父モンジュー。2012年の
青葉賞(GII)2着馬
エタンダールを半兄に、2019年の
京成杯AH(GIII)2着など重賞戦線で活躍した
ディメンシオンを半姉に持つ血統。
2019年9月に阪神競馬場で行われた2歳新馬戦でデビュー。3戦目に未勝利戦を勝ち上がり、同年12月の
ホープフルS(GI)にも出走した。3歳時の7月に
ラジオNIKKEI賞(GIII)で2着に好走するが、なかなか勝ち星に恵まれず2020年を終える。転機が訪れたのは4歳秋。昨年10月の
オクトーバーS(L)で逃げ切り勝ちをおさめると、続く
福島記念(GIII)では前半3F33.6秒というハイペースの逃げを披露。後続に差を詰められるどころか、むしろ追走した各馬を振り落とし4馬身差の快勝で重賞初制覇を飾った。
今年2月の
中山記念(GII)でも前半1000mの通過が57.6秒という緩みのないペースで馬群を牽引し、直線で差を詰めた
カラテを2.1/2馬身振り切って重賞2勝目を挙げ、3月の
ドバイワールドカップミーティングへの遠征を敢行。初めて降り立った異国の地でも同様に逃げの手を打ち、前年覇者
ロードノースとの接戦の末、同着優勝。自身初、そして広尾レース所属馬としてのGI初制覇を見事に飾った。
同馬の魅力はハイペースも厭わない先行力と、渋った馬場への対応力。
ロードカナロア譲りのスピードの持続力で最終直線では驚異的な二枚腰を発揮する。ハイペースに強いのは半姉
ディメンシオンも同様で、2019年の
京成杯AHで
トロワゼトワルが計時した世界レコード(勝ち時計1:30.3)のペースに、二番手追走から最後までついていった。梅雨時かつ阪神開催の最終日ということで、馬場状態に恵まれない機会の多い
宝塚記念は、この馬にとってまさにうってつけの舞台。ゴール板を通過するその瞬間まで、果たしてこの馬はどこまで先頭を維持するのだろうか。