2021年の3回小倉の4日目に行われた芝1800mの新馬戦。ここを勝ったのが、当時は3番人気の
ピースオブエイト。その後は3歳3月までレース間隔があくが、1勝Cを勝って、
毎日杯で重賞制覇。無傷で
日本ダービーに出走している。
この時の3着が
ヴェローナシチー。こちらは2歳12月の2戦目できっちり勝ち上がり、その後は勝ち星こそないものの、重賞やオープンで2着、3着と堅実な走りを見せている。2着
グランディアも2歳9月に未勝利を勝ち、3歳1月には1勝クラスを勝利。非常にレベルの高い新馬だっただけに、今年の同番組がどんなレースになるか、今から楽しみ。
【7月9日(土) 小倉芝1200m】
◆
ストリンジェンド(牡、父
キンシャサノキセキ、
母フォルテピアノ、栗東・
音無秀孝厩舎)
母系には同厩舎で管理され、2009年に天皇賞秋、
マイルCSを制した
カンパニー(
父ミラクルアドマイヤ)や2011年天皇賞秋を制した
トーセンジョーダン(
父ジャングルポケット)がいる血統。
本馬は4月29日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩。ゲート試験合格後に一度放牧へ出て、6月11日に再入厩。6月16日に坂路での併せ馬で
サンライズノヴァに先着する動きを見せると、翌週には古馬2勝Cにも先着。6月29日の坂路では3歳未勝利に遅れたが、4F51.7秒と全体時計は速く、週を追うごとに時計を詰めており、出走態勢が整ってきた。
【7月10日(日) 小倉芝1800m】
◆
シリンガバルガリス(牡、父
オルフェーヴル、
母ライラックスアンドレース、栗東・
松永幹夫厩舎)
全姉に同厩舎で管理され、
エリザベス女王杯連覇、牡馬相手の
大阪杯などGIで4勝を挙げた
ラッキーライラックがいる。「顔の小さいところなんかは、姉に似ていますね」と
松永幹夫調教師。
最初の栗東入厩は4月でゲート試験合格まで無事にクリア。その後は牧場での調整を経て、6月7日にノーザンFしがらきから再入厩。翌日には坂路で時計を出すなど、順調に追い切りを進めていき、6月29日にはレースで騎乗予定の
松山弘平騎手が跨り、CWでの併せ馬。6F82.5秒で少し地味にも映る動きだったが、並びかけてからの手応えが楽だったし、追ってからの動きが見映えするタイプ。実戦での走りに注目したい。
◆
ラヴェル(牝、父
キタサンブラック、
母サンブルエミューズ、栗東・
矢作芳人厩舎)
半兄
ヴェスターヴァルト(父
ノヴェリスト)は
ファルコンS3着などの重賞実績があり、芝で4勝を挙げている。半姉
ナミュールは
チューリップ賞で重賞を制し、
桜花賞は1番人気に支持された馬。
桜花賞は10着だったが、
オークスでは3着と巻き返しており、秋の活躍が楽しみ。
本馬は5月12日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩。ゲート試験合格後も在厩したまま調整を続け、坂路とCWを併用した追い切り。6月22日のCWでの動きはやや地味だったが、6月30日のCWでは古馬1勝Cを追走して先着する動き。6F78.9秒と時計も速く、着実に出走態勢が整っているという動きと見てよいだろう。
【7月10日(日) 小倉芝1200m】
◆
ベロニカブレイン(牝、
父アドマイヤムーン、
母ドゥーアール、栗東・
北出成人厩舎)
母系に2021年と2022年の
かしわ記念で2年連続2着、2021年
武蔵野Sで重賞制覇の実績がある
ソリストサンダー(父
トビーズコーナー)がいる血統。
本馬は6月8日のゲート試験に合格。その後は坂路中心に追い切りを進めていき、6月29日はCWでレースにも騎乗予定の
亀田温心騎手が騎乗。3頭併せの真ん中に位置して、外の古馬2勝Cには遅れたものの、6F82.8秒とまずまずの時計で動くことができている。6月22日の坂路では古馬OPの
レディバグと併せて食い下がる動きを見せていたり、併せ馬で見せている動きなら、十分に初戦からやれそう。
(取材・文:井内利彰)