「
CBC賞・G3」(3日、小倉)
圧巻のレコードVだ。2番人気に推された
テイエムスパーダが、レース史上最大着差タイとなる3馬身半差の快勝。五十嵐忠男調教師(69)=栗東=は、3歳牝馬のパフォーマンスと鞍上・
今村聖奈が見せた度胸満点の騎乗を絶賛した。トレーナーはコンビ継続で
北九州記念への参戦を示唆。サ
マースプリントシリーズ制覇へ、フレッシュなコンビがさらに加速する。
紅一点のルーキーを背に、3歳牝馬が逃げる、逃げる。2番人気の
テイエムスパーダが影も踏ませぬ逃走劇を披露。1分5秒8という異次元のJRAレコードで重賞初タイトルを奪取した。
今村聖奈の思い切った騎乗に、五十嵐師が舌を巻く。「言うことなしでしょう。3Fの数字を見た時はびっくりしたね。さすがに止まると思ったけど、4コーナーを回った時に残る、と。あと1Fで勝ったと思いました」。前半3F通過は仰天の31秒8だ。48キロの軽ハンデも後押ししたが、指揮官は鞍上のエスコートをたたえる。「スピードを生かした聖奈ちゃんがすごい。どんな心臓しとんねん。緊張しないなんて大したものだよ。大物やねぇ」と笑いが止まらない。
23年2月末に定年を迎えるとあって、トレーナーにとっても感慨深い1勝となった。「どうなっているんでしょうね。このまま定年してもいいね。いや、でも、やっぱり延長したいな」。小倉3勝目を挙げた
スパーダの次なる
ターゲットは重賞2勝目。「小倉に残って
北九州記念(8月21日・小倉)を視野に。この時計で走ったので、疲労を見てからになる」と意欲をのぞかせた。残り約8カ月の調教師人生。快速娘とともに彩りを添えていく。
提供:デイリースポーツ