北海道ではここ1〜2週間、天候不順が続いた。本州は異例の早さで梅雨明けしたが、本来はそこで降るはずだった雨がそのまま北にスライドした形だろう。いわゆる「蝦夷梅雨」とは質の異なるまとまった降雨で、河川の氾濫警戒情報も幾度か耳にするほどだった。
当然ながら、
門別競馬場の馬場状態はこの影響を受け、先週のレースは紛れもなく時計勝負の様相であった。今週は現時点で雨予報こそないが、すっきり晴れることもないようである。良馬場まで回復しても、タフなコンディションにはならないだろう。この重賞は1000m戦でもあり、スピードと実績を素直に評価したい。
門別1000m戦で、
アザワクに逆らう必要があるだろうか。このコースのレコードホルダーであり、当舞台は6戦6勝、そしてこの重賞は2連覇中ときている。今シーズンは
エトワール賞3着、
北海道スプリントC10着だが、いずれも1200mで、条件や展開も適していなかった。鋭いダッシュ力は健在であり、特段、評価を下げる要素は見当たらない。もちろん、競馬に絶対はないが、今年も1頭抜きん出た存在であることは間違いない。
相手探しは熟考を要するが、
ヒラソールの復調ぶりには魅力がある。転入当初の春先はいいところがなかったが、2走前の差し切りは好内容。中央ではオープンに在籍していたのだから、復活したとなれば、地力を再評価する必要がある。1000m戦への対応が課題だが、うまく脚をためられれば面白い。
アザワクが連覇したここ2年の結果を見直すと、2着、3着には好位後ろ〜中団にいた馬が脚を伸ばしてきている。
アザワクの逃げは肉を切らせて骨を断つタイプであるから、これについていく2、3番手の馬は苦しくなるということだ。
グレイトダージーや
ケイアイサクソニー、
ウワサノコウタロウといった有力各馬は、
アザワクとの距離感が最大のポイントだろう。うまく自分のリズムを守れた馬が着順を上げそうである。
(文:競馬ブック・板垣祐介)
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