全国的に猛暑が続いている。この異常な暑さは一旦は和らぐようだが、この時期に気を付けたいのは各地で多発する「ゲリラ豪雨」も同様。特に北九州地方はゲリラ豪雨が多いエリアとして知られており、場合によっては今年のGIII
プロキオンS(10日=小倉ダート1700メートル)の結果にも大きな影響を与えるかも…。
記憶に新しいのは昨年の
プロキオンS当日。午前中は快晴だったはずが、レース1時間ほど前から猛烈な雷雨に見舞われた。当時のパドック映像を見返してほしい。想定外の豪雨に厩舎関係者は誰一人として雨具を準備しておらず、びしょ濡れ状態に。ダートの馬場状態は
プロキオンS時が「重」、最終レース時には「不良」まで一気に悪化したのである。
この最悪な状況をモノともせずに、いやモノにしてというべきか、14番人気で2着に食い込んだのが今年も出走予定の
トップウイナーだった。
「装鞍所に入ったあたりからどしゃ降りに。雨でドボドボになったので、靴は捨てて帰ったくらいだよ」
担当の生田助手は安全靴が使用不能になるくらいの豪雨を苦笑交じりに振り返りつつ、一方で
トップウイナーにとっては“願ってもない条件”と感じていたのだとか。
「これまでも脚抜きのいい馬場で結果を出していたので、直前の雨はプラスに働くだろうなと。実際、内めの枠から楽に外めの2番手につけられた。モマれ弱いところがある馬なんだけど、あの形なら踏ん張ってくれるんですよね」
要は「脚抜きのいい馬場」で「モマれずに先行」できれば、重賞でも十分にやれる馬なのだ。
「前走(三宮S12着)は外から来られたので、鞍上もステッキを入れてハナに行かざるを得ず…。さすがに最後は苦しくなってしまったけどね。前回であれだけ出して行ったことで今回はスッと流れに乗れると思う。ここ数走は稽古の時計が出ていなかったけど、1週前追い切りでは好時計(ウッド6ハロン80.7-11.6秒)をマーク。普段から乗っている助手も“今回はかなりいい”と言ってくれているくらいで、状態も近走では一番じゃないか。あとはてるてる坊主を逆さにして雨乞いでもしようかな(笑い)」
今のところレース当日の北九州地方の天気予報は「曇り時々晴れ」となっているが、昨年の
プロキオンS当日だけの話ではなく、夏の小倉名物? 「ゲリラ豪雨」により馬場状態が一変した例は過去に何度となくある。昨年と同じような状況になるようなら…。当時の
トップウイナーの激走を思い出して、1票を投じてみるのも面白いかもしれない。
(栗東の雨乞い野郎・難波田忠雄)
東京スポーツ