先週の競馬では大きな夢や目標が達成される瞬間を目にできた。
まずは国枝調教師は土曜(2日)函館10Rを
クライミングリリーで勝って、史上15人目の
JRA通算1000勝を達成。そして、日曜(3日)の小倉GIII・
CBC賞ではルーキー・
今村聖奈が重賞初騎乗初勝利の快挙を達成。「小さいころから夢見てきた舞台」にわずかデビュー4か月で参戦して、アッサリ勝利を手にするのだから本当に大したものだ。
もっとも、両者にとってここはひとつの節目であり、あくまで通過点としてさらなる高みを目指していくのだろう。年始や夏休みに立てた目標もろくに達成できなかった当方。競馬記者になった今、全レース的中とは言わないまでも「1か月に最低3つの重賞的中」というくらいの目標はしっかり達成したいのだが…。
さて、今週の
七夕賞。ここに出走する
ヒュミドールにとっての夢・目標は「オーナーさん(サン
ライズ)も
有馬記念に出たいということなので」(小手川調教師)と暮れの
グランプリ出走だ。「そのためにもどこかで重賞を勝ちたいですね」と続けた小手川師。今年も半分を過ぎ、残された時間を考えると一戦一戦が勝負となる。
となると“V確率”が高いのはここではないか。同舞台の重賞(
福島記念)で2着。
小倉記念2着を含めて小回りローカルコースは現状ではこの馬のベスト舞台だ。「福島2600(2勝クラス・
信夫山特別)を勝った時もそうだし、
小倉記念で2着した時も3角からマクるような競馬。持久力を生かすような競馬が合っている」。それゆえ、勝負どころからペースが流れて持久力を問われる消耗戦になりやすいローカルコースはピッタリというわけだ。
肝心な状態面も「前走(
大阪杯15着)のダメージを残さないように放牧で
リセット。1週前に併せ馬でやってスイッチが入ってきたし、週末にさらに“磨き上げる”ような調整。気持ちも乗ってきて、いい状態に仕上がりそうです」と不安はない。
6歳とはいえ暑さにへこたれることもなく、まだまだ馬は若い。暮れの
グランプリという大目標へここでしっかりと結果を出し、大舞台への出走権をグッと引き寄せてくれそうだ。
(美浦の夢達成応援野郎・山口心平)
東京スポーツ