「プロキオンS・G3」(10日、小倉)
デビュー10年目を迎えた
城戸義政騎手(28)=栗東・
奥村豊=が、21年の2着馬
トップウイナーとのコンビで重賞初制覇を目指す。かなりの癖馬で惨敗も目立つ馬ものの、気分良く先行できれば21年のような粘り込みも十分にあり得る。思い切った騎乗で、人馬ともに初タイトル奪取といきたい。
上を見ればリーディング上位にトップジョッキーが名を連ね、下からは将来有望な若手が突き上げてくる。弱肉強食の世界。デビュー10年目の城戸は、今の自分の立ち位置を十分に理解している。
焼け付くような暑さとなった今週も精力的に調教に騎乗。「ずっと楽ではありませんが、馬に乗ることが好きですし、調教には開場から馬場が閉まるまで毎日ずっと乗っています。成績を出すのは大変。それでも、調教に乗るのが下手だと、周りから信頼を勝ち得ない。チャンスが巡ってきた時に、しっかりとつかむよう常に準備はしています」。調教後もトレーニングや体のメンテナンスを怠らない。全ては勝利の2文字を手にするためだ。
その努力の積み重ねが今回の重賞オ
ファーにつながった。コンビを組む
トップウイナーは、今回で4度目の騎乗。自ら追い切りにまたがり、出来の良さも感じ取った。「能力は足りていますが、気難しいところがあって。でも何度も乗せていただいて、この馬が集中して走れる条件が段々と分かってきました。いかにそのシチュエーションに持っていけるか」。21年は14番人気ながらも2着に激走。実績馬が秘める能力を全て引き出したい。
プライベートでは、21年8月に待望の第1子が誕生。守るべきものが増えて「さらに頑張らないと」と気を引き締める。日々の努力のかいあって、関係者の信頼は厚い。「結果が出ていない中で、これだけずっと乗せていただけていることに感謝しています。その分、うまくなって返していきたい」。巡ってきた好機。感謝の思いを胸に結果で応えたい。
提供:デイリースポーツ