先々週までの段階で、勝ち上がった2歳馬は58頭。そのうち、5頭は
エピファネイア産駒ということで「ポスト・ディープ」の時代はやはりこの馬になるのか、といった感じ。5頭の勝ち上がりはすべて芝だが、距離は1200m、1400m、1600m、1800mと幅広い。
昨年の新種牡馬、
シルバーステートは3頭が勝ち上がっているが、芝1800mで2頭。
カルロヴェローチェ(栗東・
須貝尚介厩舎)が新馬勝ちし、この時の3着だった
ゴッドファーザー(美浦・
萩原清厩舎)が福島の未勝利を勝ち上がり。初年度産駒は
ウォーターナビレラ(栗東・
武幸四郎厩舎)やロン(栗東・
石橋守厩舎)といった牝馬の活躍が目立ったが、2年目は牡馬にも注目してみたい。
【7月23日(土) 小倉芝1200m】
◆
クールジャーマン(牡、父
ミッキーアイル、
母クールマギー、栗東・
松下武士厩舎)
おばに芝で4勝を挙げた
サムシングジャスト(父
ヴィクトワールピサ)がいる血統。また、父
ミッキーアイルの産駒は
メイケイエール(栗東・
武英智厩舎)、
ナムラクレア(栗東・
長谷川浩大厩舎)と小倉2歳Sを連勝中。
本馬は7月6日の栗東坂路で4F53.0秒をマーク。時計自体は地味に見えるが、ラップが13.9秒、13.3秒、12.9秒、12.9秒と持続的。このあたりにスピードある素質の高さを感じさせるし、1週前追い切りのCWでは時計こそ遅くなったが、抜群の手応えで動くことができている。
【7月24日(日) 小倉芝1800m】
◆
ディオファントス(牡、父
モーリス、
母ディオジェーヌ、栗東・
斉藤崇史厩舎)
半兄に新馬、紫菊賞と連勝したものの、その後は長期休養している
リブースト(父
ハービンジャー)がいる。
リブーストを管理する
佐々木晶三調教師は連勝した時に「クラシックを意識できる」と大きな期待をしていた馬だ。
本馬も「もちろん、いい馬ですよ」と
斉藤崇史調教師の評価は高い。ゲート試験合格後に一旦放牧へ出て、再入厩で仕上げていく形。6月29日のCWでの追い切り自体では、まだまだ反応が鈍いといった感じだったが、先週のCWでは3頭併せの真ん中に入って、しっかりと動かされる形。最後の直線は11.6秒と速いラップを踏むことができたし、追い切るごとに確実に良くなっている。鞍上は
北村友一騎手が予定されている。
◆
レッドソリッド(牡、父
ドレフォン、
母ステレオグラム、栗東・
音無秀孝厩舎)
おじに2013年
皐月賞、2016年
安田記念といったGIを制した
ロゴタイプ(
父ローエングリン)がいる血統。父
ドレフォンの産駒は初年度から
皐月賞を制した
ジオグリフ(美浦・
木村哲也厩舎)などを輩出している。
本馬は5月27日にゲート試験を合格した後、一度放牧へ出ての再入厩。7月6日のCWでの3頭併せの一番外、先週デビューした2頭が内にいる状態だったが「いい動きでしたよね」と
音無秀孝調教師。7月13日の坂路では、レースでも騎乗予定の
松山弘平騎手が跨り、古馬OPの
ダノンマジェスティを追走。さすがに追いつかなかったが、時計は4F52.0秒と速い数字をマークしている。
【7月24日(日) 福島芝1200m(牝)】
◆
アウクソー(牝、父
サトノアラジン、
母ヴィリエルバクル、栗東・安田隆行厩舎)
母系に芝短距離で4勝を挙げた
ラルムドランジュ(
父Dansili)がいる血統で、2020年セレクトセール当歳にて、2500万円で落札されている。半兄に同厩舎で管理された、
キンシャサノキセキ産駒の
ユアソーラがいるが「タイプは違いますね」と安田隆行調教師。
また「6月15日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩しましたが、調教を進めながら馬体が増えていっているのは、良い傾向ですね。鍛えながら成長しているといった感じです」と同師。先々週、先週と週中にCWで追い切り、先週は道中のラップが遅かったとはいえ、ラスト1Fが11.2秒の伸び。もともとは新潟開催でのデビューを予定していたが、状態の良さを考慮しての前倒しデビュー。鞍上は
戸崎圭太騎手が予定されている。
(取材・文:井内利彰)