いくら北海道とはいえ、7月〜8月にかけては身に堪える暑さの日もある。1開催1戦を基本ローテとして走る条件馬たちも、この時季は調整が難しくなる。秋に大目標を置く一線級の馬たちはなおさら、ここで過剰に疲労を溜め込むわけにはいかない。
星雲賞は
道営記念へと続く重賞路線に組み込まれてはいるが、上記のことに加え、2015年から、適性の差が出やすい内回りマイル戦に条件が変わったことで、近年は特に頭数が少なくなりがちである。
今年も9頭立ての少頭数となり、その中で重賞での実績が上位とされる馬たちも、決して内回りマイルが最適条件ではない。そういう様相であるから、いわゆる「上がり馬」的存在の2頭、
グリントビートと
マイネルシスネロスにとっては、重賞制覇のまたとない好機と言えるだろう。
前者は目下3連勝中。この馬の良さは立ち回りの自在性であり、器用さが求められる内回り戦に、前走で適性を示したのも当然だ。重賞は昨年の
瑞穂賞(外回り1800m)以来2度目だが、当時も0秒6差の5着と善戦しており、メドは立てている。適性を踏まえ満を持しての挑戦で、念願のタイトルを掴む可能性は十分にある。
後者は地方転入以後、鼻出血による大敗を除けば、ほぼ
パーフェクトな成績の持ち主である。特筆すべきは、今回の舞台のレコードホルダーであること。大井での成績などを考えても、マイル戦は最も得意と言える。重賞どころかオープンクラスへの出走も今回が初めてで、これまでと違うペースへの対応は鍵になるが、通用するレベルの地力は既に見せている。
実績馬の中では、昨年の覇者
クラキングスを高く評価すべきだろう。ただ、昨年は展開が見事なまでに嵌まった結果であり、本質的には外回り向きのタイプ。追い込みが利く消耗戦になるかどうかが焦点だ。
他に重賞で好走歴がある
バンカブルスター、
トレイントレイン、
ヤマノファイトもまた、前述の通り、内回りで如何に力を出し切れるかが浮沈の鍵である。
(文:競馬ブック・板垣祐介)
ホッカイドウ競馬特集ページはこちら!