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【クイーンS】ローザノワールは「10日競馬」で花開く 重賞初Vがあっても驚かないデキ /トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2022年07月27日(水) 18時01分
「10日競馬」という言葉をご存じだろうか? 簡単に説明すると「放牧に出ていた馬が帰厩して10日でレースを使う」という意味。正確に10日間ではなくても、トレセン内ではおおむね「10日競馬」で通っている。

 10日競馬で使う馬(この言い回しも何か変だが…)は当然(帰厩後の)追い切り本数が少ないため、プラスとは取られないことが多いのだが、そこに神経質になるのは東京や阪神など、いわゆる本場開催のケースにとどめておいたほうがいいと感じている。

 なぜなら函館や札幌のローカル開催では馬房数にも限りがあるため、ある程度放牧先で仕上げてから競馬場に入厩して、1、2本追い切ってレースへ向かうケースはザラにあるからだ。統計を取っているわけではないが、このパターンで結果を出すケースも実際、かなり見受けられる。

 というわけで、ここからが本題。GIIIクイーンS(31日=札幌芝1800メートル)にエントリーしているローザノワールも「10日競馬」での出走となる。日曜(24日)に札幌ダート5ハロン70.9-12.4秒の軽めの追い切りを消化し、直前にもう1本追われてレースへ。果たして注目の仕上がり度合いは? 担当の塩満厩務員はかなりの自信を見せている。

「札幌に入厩後も思っていた以上に落ち着いている。牧場でも乗ってきたし、すぐに仕上がるタイプ。直前の1本でいい状態にもっていけると思うよ。戻ってきた段階で10キロぐらい増えていたから攻めの調教もできると思うんだ」

 塩満厩務員の言葉を弾ませているのは馬の状態だけでなく、前走の内容にも手応えを感じているからに他ならない。そのヴィクトリアマイル0秒3差4着を「ハナに行かせてもらえて、直線に入ったところでは一瞬、夢を見た」と振り返る。

 確かに前走は見せ場十分のレースぶりだった。あまりいいスタートではなかったのだが、他に主張する馬がいないこともあって押して押してハナへ。いい手応えで直線に入ると、一旦は後続を引き離すシーンも…。ラスト150メートルあたりでソダシに捕まり、終わってみれば馬券圏内にもあと一歩届かなかったが、最低人気を覆す、十分な中身を伴ったものだった。

「今回でまだ今年3戦目だからダメージもないし、ジョッキー(田中勝)が引き続き乗ってくれるのもありがたいよね。ハナにはこだわらないけど、ゴチャつくとダメなタイプ。前めの競馬が理想だね。うまく後ろに脚を使わせるレースができれば」と塩満厩務員はひそかに大仕事を狙っている。

 札幌は開催2週目。まだ内が荒れていない状況となれば…。前々で運んだローザノワールが粘りに粘って重賞初タイトル奪取のシーンがあっても驚けまい。くれぐれも「10日競馬」で評価を落とすことがないよう、念を押しておくとしよう。

(札幌の10日マッスル野郎・芝井淳司)

東京スポーツ

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