8月7日に札幌競馬場で行われる
エルムS(3歳上・GIII・ダ1700m)。今年は9連勝での重賞制覇を狙う
ブラッティーキッドや、2019年の
全日本2歳優駿(JpnI)2着後の骨折から復活しリステッド競走を2勝している
アイオライト、昨年のダートGIIIで好走を重ねており悲願のタイトル奪取を狙う
オメガレインボーなど、粒揃いのメンバーが揃った。
このレースのレコードタイム、および札幌ダート1700mのコースレコードを保有しているのが、2017年の覇者
ロンドンタウンである。
ロンドンタウンは父
カネヒキリ、
母フェアリーバニヤン、母の
父Honour and Gloryという血統。五代
母Gold Mineは大種牡馬
Mr. Prospectorの全妹にあたる。
2014年の北海道サマーセールにて950万円(税込)で落札され、2015年10月に東京競馬場で行われた2歳新馬戦でデビュー。3走目の未勝利戦を勝ち上がり、翌2016年2月に2勝目を挙げ、9月の
西日本スポーツ杯(1000万下)と10月の
内房S (1600万下)を連勝し、デビューの一年後にオープンクラス入りを果たした。
その後はダートの重賞戦線に出走を重ね、4歳時に挑んだ2017年の
佐賀記念(JpnIII)では、早め先頭から後続を4馬身振り切って重賞ウィナーとなった。同年の
エルムSは
テイエムジンソクが圧倒的な支持を集め単勝1番人気となったほか、芝からダートに路線転向後に勝ち星を重ねていた
ピオネロ、卓越した先行力を武器に連勝を重ねてオープン入りを果たし前年の
東海S(GII)でも2着に好走した
モンドクラッセなどが出走、
ロンドンタウンは単勝4番人気の評価となった。
前日の雨の影響で札幌のダートは重。水が引いていっそう脚抜きが良くなり、速い時計の出る馬場だった。レースでは
ドリームキラリが内目の枠をいかして先手を取り、2番手に
テイエムジンソクが続き、
ロンドンタウンは先行馬2頭を見るかたちで進んだ。直線では外目に進路を取り、逃げ粘る2頭を後目に勢いよく末脚を伸ばして1着でゴールを果たした。計時したタイム1分40秒9は、「40秒台」の壁を破る衝撃の日本レコードだった。
その後、
ロンドンタウンは2017年と2018年に韓国へ遠征しコリアカップ(韓G1)を連覇するなど活躍。このほか、
エルムSの過去の勝ち馬には、ダートのGI級競走を6勝した
アドマイヤドン(2003年)や2004年のダービー
グランプリ(当時はGI)覇者
パーソナルラッシュ(2004年、2005年)、2012年の
東京大賞典(GI)を制した
ローマンレジェンド(2012年、2014年)、2017年の
ホープフルS(GI)覇者
タイムフライヤー(2020年)など、強豪馬が並ぶ。
さらなる飛躍を遂げるのはどの出走馬か、要注目だ。発走時刻は15時35分を予定している。