3歳ダート馬の出走機会拡大、夏季競馬の振興、秋季ダート路線の充実を狙い2009年に創設され、2011年には「GIII」に格付けされた
レパードS(3歳・GIII・ダ1800m)。各馬の負担する斤量は、有力馬の参戦を促す観点から馬齢重量(牡馬・セン馬は56kg、牝馬は54kg)に設定されている。
今回は、同レースにおける過去の勝ち馬を振り返っていく。
■第一回覇者(2009年)
トランセンド(牡)
3歳時の2月にデビューを迎え、ダートでは3戦無敗という戦績を提げて臨み、道中2番手追走から抜け出し、前年の
全日本2歳優駿(JpnI)覇者スーニの追撃を3馬身振り切って重賞初制覇を飾った。同馬は2010年の
ジャパンカップダート(GI)、2011年の
フェブラリーS(GI)を勝利した。
GI連勝後はドバイ遠征を敢行。
ドバイワールドカップ(首G1)で2着となり、日本馬
ヴィクトワールピサとの日本馬ワンツーフィニッシュを飾った。さらに帰国初戦となった10月の
マイルCS南部杯(JpnI)を勝利すると、12月の
ジャパンカップダートでは
エスポワールシチーや
ワンダーアキュートなど強豪馬を振り切り、2馬身差をつけて同競走史上初の連覇を達成。2011年の
JRA賞最優秀ダートホースに輝いた。
■第二回覇者(2010年)
ミラクルレジェンド(牝)
2009年8月にデビューを迎え、ダート転向後に3連勝。同年7月に
ジャパンダートダービーで4着に好走し、
レパードSに臨んだ。レースでは
ヴァーミリアンの半弟
ソリタリーキングに支持が集まる中、道中11番手から進出を開始し、2着馬
グリッターウイングをゴール前でハナ差差し切り重賞初制覇を果たした。
その後は2011年から2012年にかけて
JBCレディスクラシック(当時はJpnI格付け前)を連覇するなど重賞8勝を挙げる活躍を見せた。現役引退後、繁殖牝馬としてリステッド競走2勝を挙げた
グレートタイムを出した。
■第四回覇者(2012年)
ホッコータルマエ(牡)
3歳時の1月にデビューを迎え、8戦3勝の実績を提げて
レパードSに挑んだ。本番では4番手から徐々に進出し、後の
武蔵野S(GIII)覇者
イジゲンや2014年の
アンタレスS(GIII)覇者となる
ナムラビクターの追撃を抑えて重賞初制覇を果たした。
その後もダート重賞路線で好走を続け、2013年の
佐賀記念(JpnIII)から連勝街道を歩み、同年の
かしわ記念(JpnI)でGI級競走初勝利を果たした。2014年の
JRA賞最優秀ダートホースに輝くなど実績を重ね、2016年11月のラストランまでGI・JpnIを10勝。これは当時の日本競馬史上初となる記録だった。
■第五回(2013年)
インカンテーション(牡)
2012年7月にデビューを迎え、2013年7月の
濃尾特別(1000万下)を勝利し
レパードSに臨んだ。レースではのちに中京ダート1800mのレコードを更新する
サトノプリンシパルがハナを切り、それを見るかたちで追走。3コーナーから位置を押し上げた
ケイアイレオーネや10番手から追い込んだ
ジェベルムーサなどの追撃を抑えて2.1/2馬身差の快勝。重賞初制覇を飾った。
その後、2014年11月の
みやこS(GIII)、2015年の
平安S(GIII)など重賞を6勝。2015年の
フェブラリーS(GI)、2017年の
かしわ記念(JpnI)で2着など、度重なる骨折を乗り越えて8歳まで現役を続けた。現在は種牡馬として供用されており、今年初年度産駒がデビューを迎えている。
■第十二回(2020年)
ハヤヤッコ(牡)
2018年6月にデビュー。2戦目の未勝利戦(芝1800m)を勝ち上がり、2019年3月にダートの500万下条件を勝利した。前年の
全日本2歳優駿(JpnI)と同年7月の
ジャパンダートダービー(JpnI)で2着の実績を持つ
デルマルーヴルが人気を集めたレース本番では、道中12番手の位置から後方一気の末脚を繰り出し、単勝10番人気の伏兵評価を覆して勝利。白毛馬による史上初の
JRA重賞制覇だった。
その後、東京ダート2100mのオープン戦で2勝。今年3月から再び芝路線にも顔を出し、7月に行われた
函館記念(GIII)では、緩みのないペースで進んだ最終直線でぐいぐいと伸びて重賞2勝目を飾った。8月の
札幌記念では、近親馬
ソダシとの「白毛馬対決」が期待されている。
今年はデビュー3連勝で鳳雛S(L)を制したハピ(牡3、栗東・
大久保龍志厩舎)、
東京大賞典4連覇を果たした
オメガパフュームを半兄に持つ
ホウオウルーレット(牡3、美浦・
栗田徹厩舎)など、新進気鋭のメンバーが揃った。さらなる飛躍を遂げるのはどの出走馬か。発走時刻は15時45分を予定している。