「
エルムS・G3」(7日、札幌)
デビュー2年目の
角田大和騎手(20)=栗東・角田=が、自厩舎の
ブラックアーメットとのコンビで自身2度目となる重賞に臨む。レースではテン乗りになるが、滞在先の札幌で毎日のように調教にまたがって絆を深めてきた。親子鷹で挑戦する北都砂決戦。チャンスをモノにして、存在感を示したい。
3日早朝。
ブラックアーメットの追い切りに騎乗した角田和のもとへ感触を聞きに行くと、「あとでいいですか?」と言い残し、駆け足で去って行った。調教終了後、聞けばこの日は9頭もの追い切りに騎乗する多忙ぶり。自身初の北海道滞在で精力的に汗を流し、関係者の信頼は日を追うごとに増している。
努力が実を結び、やっとつかんだ自身2度目の重賞挑戦。コンビを組む自厩舎の4歳馬とは、レースでは初コンビでも毎日のようにコンタクトを取った。「
パワーがすごい。水上
スキーをしているような感じで抑えるのがしんどいです」と、前進気勢の旺盛さをストレートに表現する。
きれいなフォームが
パワーの源だ。「首や背中をうまく使えるし、走り方が上手ですね。乗り味は抜群。追いだすと重心がグンと沈む」。オープン入り後はやや壁に当たっている印象も、「競馬に行くと引っ掛かるので難しさはありますが、能力は絶対に足りると思います」ときっぱり。重賞メンバー相手でも気後れすることはない。
デビュー1年目の昨年が20勝。そして、2年目の今年が現在27勝と順調に勝ち星を伸ばしてはいるが、「いい馬に乗せていただきながらもチャンスを逃している。納得はしていません」と反省の日々だ。さらに同世代の活躍も刺激になる。「聖奈が一発で重賞を勝ったし、去年の泉谷も2年目で勝ちましたからね。出るからには結果を出したい」と重賞初Vに意欲を見せる。
「イチかバチか、位置を取りに行く競馬も考えて。スッと自分のタイミングで馬群に取りつけたら」。成長著しい若き人馬が、北都の砂上を熱くする。
提供:デイリースポーツ