北海道では今、夏は終わったのではないかと、まことしやかに囁かれている。猛暑、酷暑と連日ニュースになる本州と比べ、文字通り温度差のある話だが、突然に季節が変わるのは北の大地の常である。もとより夏に思い入れなどない。過ごしやすくなる分には大歓迎だ。
さて、今年の
フローラルカップは、施行時期が例年より一ヶ月ほど早められている。それだけ出走各馬の戦歴が僅かでも浅くなるということだ。2歳馬にとっては1戦のキャリアが能力発揮に大きく影響するもので、特に内回りマイルという特殊な条件下ではなおさらである。
その点を踏まえて考えると、オープンクラスのレース経験が多くあり、かつレースパターンを確立させつつあるという点で、
パワトゥザピープルには光るものがある。デビュー勝ち後は決め手に欠く競馬が続いたが、前走は勝負どころで窮屈になりながらも際立つ伸びを見せ、差し馬としてのスキルアップを示した。また、一連の内容を鑑みると、短距離のスピード勝負が本領ではなさそうで、距離が延びるのは間違いなくプラスだろう。マイラーとしての素質開花に期待したい。
スティールグレイスの
栄冠賞は明らかに不完全燃焼。陣営の懸念した馬体の重め残りの影響もあり、4コーナーからの進路取りにもスムーズさを欠いたことで、伸びあぐねてしまった。デビューからの連勝内容は秀逸で、その時点で
エーデルワイス賞も視野に入ったほどである。ここで巻き返して再び大舞台への道を開きたいところだ。
週中は雨予報が並んでいるのだが、それに心躍らせているのが
オンネマトカ陣営である。ス
トライドを伸ばす綺麗なフォームで走る馬であり、やはり締まった馬場が理想だろう。これまでは良馬場でしか走ったことがなく、水を得た魚のような変身を遂げる可能性がある。
栄冠賞5着、フルールC2着と、重賞で好結果を残している
リコシェも争覇圏内。
サヤオンニや
コンテパルティロなどは、展開がもつれた場合に浮上の余地がありそうだ。
(文:競馬ブック・板垣祐介)
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