POGや2歳戦線の中でよく出てくるキーワードが「ポスト・
ディープインパクト」。ディープなき後の馬産地にあって、どの種牡馬が天下を取るのか。そんな“ポスト・ディープ”として個人的に、というか大方が期待しているのが2020年の無敗の3冠馬
コントレイルだ。そのキャリアはもちろん、非凡な瞬発力、おそらくはマイルもこなせたであろうスピード、ベスト距離ではない
菊花賞も制した根性。種牡馬として成功する要素は十分過ぎる(産駒は25年にデビュー)。
おそらく種牡馬として大成功するであろう
コントレイルだが、ここまでのキャリアで唯一不満なのが“世代レベル”。もちろん彼自身の問題ではないし、評価を下げる材料ではないにせよ、現5歳のいわゆる“
コントレイル世代”といってピンとくる馬が少ないのも事実。ダートや牝馬には出世馬が多い半面、クラシック3冠で戦った芝路線の男馬たちでその後にGIを勝った馬はゼロ…。
ただ、ここにきてクラシック未出走だった
ポタジェが
大阪杯を勝ち、快速逃げ馬
パンサラッサが
ドバイターフを制覇。また、ダービー3着馬
ヴェルトライゼンデが長期休養明けの
鳴尾記念を勝利するなど風向きは変わりつつある。故障によるブランク、成長曲線などあってブレイクし切れていないが、まだまだ実力派、個性派が隠れている世代なのかもしれない。
そんな観点で
関屋記念(14日、新潟芝外1600メートル)を眺めると…
ウインカーネリアンだ。蹄葉炎による約1年のブランクを余儀なくされたが、復帰2戦目からリステッドを連勝。
コントレイル世代の
皐月賞4着の実力馬がようやく軌道に乗ってきた。
「ここ2戦は自分から勝ちに行く競馬で勝ってきたし、前走(
米子S)は抜け出してから遊んでいたくらい余裕があった。今は脚元(爪)の不安もなくなって思うように調教できるようになったのが大きいね」と鹿戸調教師。続けて「いいメンバーが揃うここでいい競馬ができれば、もっと上の舞台を目指していける」結果次第で秋のGIも視界に入ってくる。
タイトルホルダー、
エフフォーリアを筆頭に勢いある4歳世代。
クロノジェネシス、
グランアレグリアという歴史的名牝にけん引された6歳世代。その間に隠れて存在感の薄かった5歳世代だが…「やっぱり
コントレイル世代は強かった」と思わせるような走りを期待したい。
(美浦の5歳世代擁護野郎・山口心平)
東京スポーツ