「
札幌記念・G2」(21日、札幌)
日本で初めて白毛の競走馬として認定されたのが79年生まれの
ハクタイユー。それから43年の時を経て、今年の
札幌記念では、条件戦も含めJRA史上初となる白毛馬対決が実現する。白毛馬初のG1馬
ソダシVS白毛馬初の芝&ダート重賞制覇の
ハヤヤッコ。真夏の頂上決戦という大きな舞台で、いとこ同士が激突するドリームレース。どんなシーンが見られるのか、今から待ち切れない。
白毛馬としては後輩の
ソダシだが、昨年の覇者で実績はリードしている。吉田隼は「連覇をして、
クロフネ産駒の最高傑作になってほしいですね」と期待を寄せる。ベストはマイル戦。ただ、昨年は52キロと斤量の恩恵があったとはいえ、世界で活躍した
ラヴズオンリーユーを打ち破った。須貝師は「洋芝が合うのは確かですから」と分析する。札幌の2000メートル戦なら実力を存分に発揮できる。
歴史を塗り替えてきた。20年阪神JFを制し、白毛馬として史上初となるG1制覇を達成。翌年の
桜花賞を勝ってクラシック初制覇も成し遂げた。そして、前走のヴィクトリアMでG1・3勝目をマーク。トレーナーは「前走は牝馬同士でも、お姉さんの立場で負けられない気持ちもあった。強い競馬だったし、能力の高さを示してくれました」と振り返る。既に白毛馬の枠を超えた活躍を見せていると言っていい。
4歳になっての成長も見られる。鞍上は「いいハッキングができるようになりました。重心が安定して自分の
バランスで走ってくれる。他の馬もこんな感じでできたらなと思うくらい。乗っていて気持ちがいいです」と笑顔で語る。身のこなしが上達してムダな動きがなくなり、以前よりもスムーズな走りができるようになった。経験を重ねて進化している。
「同じ白毛の
ハヤヤッコは前走で強い競馬をしたし、白毛対決でファンの方が盛り上がってくれればいいですね」と須貝師も楽しみにする。JRA史上初となる白毛馬同士の対戦となるレースで、人気と実力を兼ね備えた
アイドルホースがファンを魅了する走りを見せる。
◆白毛馬 競走馬の毛色は、鹿毛、黒鹿毛、青鹿毛、青毛、芦毛、栗毛、栃栗毛、白毛の8種類。JRAにおける競走馬登録数(馬名のついている馬の数)は15日現在8463頭で、うち白毛馬は7頭(現2歳馬含む)。全体の0.1%と極めて希少な血統である。発現メカニズムは十分に解明されておらず、産駒は白色または全身の大半が白色で生まれる。なお、芦毛馬は加齢によって白くなるが、途中で白毛馬に変わることはなく、登録変更もない。
提供:デイリースポーツ