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【北九州記念】現在進行形で成長続けるナムラクレアのゴムまり筋肉/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2022年08月17日(水) 18時02分
 坂路4ハロン50.8-36.1-23.2-11.4秒。

 GIII北九州記念(21日=小倉芝1200メートル)の1週前追い切りでナムラクレアがマークした時計には度肝を抜かれた。全体時計の速さももちろんだが、目を引くのはやはりラスト2ハロン23.2秒という強烈な数字。これだけでスプリンターとしての並々ならぬ資質の高さが伝わってくる。

 とはいえ、ナムラクレアは460キロ前後の中型馬。ボンキュッボングラマーシルエットはしているものの、ゴリゴリマッチョの大型馬が集うスプリント界ではやや小兵に映る。そんな馬が芝1200メートルでは3戦負けなし。前走の函館スプリントSでは初の古馬相手に2馬身半差Vを決めるなど、無双の強さを見せている秘密は一体どこにあるのか?

「もともと筋肉の質がとてもいい子なんです。骨格に見合った量で、その中でも特に柔軟な筋肉を持っている。だからトモの踏み込みがすごく良く感じるし、脚の回転力の速さにもつながっているのかな」

 ナムラクレアの良さをこんな言葉で伝えてくれたのは管理する長谷川調教師。開業前に所属していた中村均厩舎時代からナムラムツゴローほか兄姉に携わってきた中でも「触ってみるとゴムまりのような筋肉。それは彼女だけが持っているものというか、兄姉にはなかった特徴なんです」と筋肉が特別なギフトであることを強調する。さらに驚かされるのは、ナムラクレアの筋肉は現在進行形で成長を続けており、「2歳の暮れ、3歳の春先と比べて馬が成熟してきたというか、筋肉の柔らかみが増してきているのを感じます」。

 冒頭の1週前追いにも騎乗したトレーナーは「こっちの思っているぐらいしっかりやると、たぶんもっとすごい時計が出てしまうんでしょうね。感触をつかみながらという過程でも、すごくいい反応でした」とサラリ。まだまだ伸び盛りのこの3歳牝馬は一体どこまで強くなるのだろうか…。

 サマースプリントシリーズ第4戦であるのと同時に、スプリンターズS(10月2日=中山芝外1200メートル)の前哨戦としての側面も併せ持つ北九州記念。「(本番への)臨戦過程としてセントウルS(9月11日=中京芝1200メートル)からの中2週と、北九州記念からの中5週(の選択)はすごく悩みました」と長谷川調教師は参戦の舞台裏を振り返りつつ、「(2戦2勝と)小倉は相性が良くいいイメージがありますし、何よりもしっかり疲れを取って調整した中でスプリンターズSに向かいたいな、と」。

「点」ではなく「線」としてこの一戦を捉えるナムラクレア陣営。結果だけでなく内容も伴う勝利で、飛躍の秋へとつなげてもらいたい。

(栗東の馼王野郎・西谷哲生)

東京スポーツ

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