ぶっちぎりの勝利でG1切符を手にした。ルーキーの
今村聖奈騎手(18)=栗東・寺島=が20日、小倉6Rで
ヤマニンウルス(牡2歳、父
ジャスタウェイ、
母ヤマニンパピオネ、栗東・斉藤崇)に騎乗し、後続に大差をつける圧巻のレコードタイムで快勝。JRA通算27勝、地方4勝と合わせて通算31勝に到達し、ついにG1騎乗の条件をクリアした。
デビュー169日目での到達は、現行の規定ができた96年以降では96年福永、08年三浦(ともに128日)に次ぐ史上3番目の記録。ド派手な勝ちっぷりに、聖奈は「ゲートでゴチャついたり、返し馬で放馬があったりと
イレギュラーなことがあった中でも、精神的に大人で、むしろ馬の方が堂々としていました。直線は後続の足音も聞こえず、最後も流す感じでしたし、強い競馬をしてくれました」と相棒をたたえた。
これでG1騎乗が可能となったが、周囲からの重圧は大きく「正直、余裕がなかったし、そっとしておいてほしい気持ちはありました」と本音を吐露。当面の目標をクリアしても自分への厳しさは相変わらずで、「デビューから半年以上が経ち、だいぶ慣れてきた中で、最近はやってはいけない妨害行為や接触行為をしてしまい…。今の現状では駄目だと思うし、勝ち急いでいる部分はあると思う。いつまでも地に足をつけて、今まで通り、やるべきことを変わらずにやっていきたいです」と気を引き締めた。
最速なら
スプリンターズS(10月2日・中山)が聖奈のG1初舞台となる。さらなる高みを目指して「皆さんの
バックアップに応えたいし、もっともっと結果で恩返しがしたい。これからも向上心を忘れず、周りの方々への感謝の気持ちを忘れずに乗っていきたい」と意気込みを語った。
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福永祐一の話「やるやん(笑)。立派だと思います。真面目だし、勉強熱心な子。今の向上心を持ち続けていれば、トップジョッキーの一員になれると思います」。
提供:デイリースポーツ