今年、移転開設50周年を迎えた
佐賀競馬場。「うまてなし」と題し、レースやファンサービスで様々なおもてなしをしています。
見応えあるレースも「うまてなし」の一つ。今春には3歳頂上決戦「
九州ダービー栄城賞」が行われ、
イカニカンが制しました。馬名のインパクトが抜群すぎて、ついそこにばかり目がいきがちですが、2歳秋ぶりに乗った
竹吉徹騎手は同馬の成長をしっかり感じ取っていたよう。さらに、「ある工夫」をしてレースを運んだといいます。名勝負に隠された工夫とは。
(取材・構成:大恵陽子)
◆
イカニカンは砂が苦手?◆
――
九州ダービー栄城賞制覇、おめでとうございます!
イカニカンに騎乗するのは2歳の秋以来でしたね。
竹吉騎手 ありがとうございます。2歳で2回乗せていただいた時は、力はあると感じたんですけど、砂を被るとやる気を失くしたり、馬を怖がったりと、まだすごく幼い部分が多くて「まだだな」と思っていました。
――久しぶりの騎乗で成長は感じましたか?
竹吉騎手 馬群で他馬を怖がることがなかったので、すごく成長しているなと思いました。
――1コーナーの映像では、逃げ馬より半馬幅ほど内を走っているように見えました。何か意図があったんですか?
竹吉騎手 自分の中で、まだ「砂を嫌がる」という印象があったので、少し内めを通りました。
佐賀競馬場は内の砂が深いですけど、あそこならギリギリいけるかな、と。
――勝利を挙げた多くが砂を被らない逃げでしたが、控えることになったダービーでは絶妙に砂を被らないように運んでいたんですね。
竹吉騎手 ゆっくりなペースも合っていて、4コーナーで前は全部かわせると思いました。あとは後ろから来たらどうかな、と。
――そのままリードを保ち、ゴールでは大きな
ガッツポーズが出ました。
竹吉騎手 思わず
ガッツポーズが出ちゃった感じです(笑)。いろんな人からあとで言われました。
――今夏は
ロトヴィグラスと船橋の
習志野きらっとスプリントに遠征。超短距離の1000mで3番手に先行し、5着と健闘しました。ワンターン820mの重賞・園田FCス
プリント(
エイシンテキサスで同着)の制覇もありますし、スタートが得意なのでしょうか?
竹吉
ロトヴィグラスでは一線級の短距離馬相手だったので、「見せ場をつくろう」という気持ちで乗っていました。でも、僕自身は若い時からすごくゲートが苦手だったんです。佐賀は逃げ・先行が有利なので、「前に行かないと!」と先入観に囚われていました。最近は「スタートが出なければ後ろからの競馬を組み立てたらいい」と思えるようになり、あんまり気負わなくなりました。
――佐賀は前有利ですものね。一方で、2、3着に人気薄の馬が差してくることもある印象です。
竹吉騎手 最近は若い子が減量を活かして内から勢いよく来て、上位に絡む傾向があります。
――最後に、竹吉騎手にとって「うまてなし」とは何ですか?
竹吉騎手 自分たちが一生懸命なレースを見せて、ファンのみなさんに喜んでもらうことです。僕個人としては、最後の直線で一生懸命追っている姿を見てほしいです。
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佐賀競馬場では8月25日に
サマーチャンピオン(JpnIII、ダート1400m)が行われます。「何かと記録がウマれがち!」のキャッチコピー通り、コースレコードが生まれたり、昨年は
ラプタスに騎乗した
鮫島克也騎手(現調教師)がダート
グレード競走最年長勝利記録を更新。今年もどんな記録がウマれるか、ご期待ください。
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