先週末は札幌競馬場で3年ぶりにWASJが開催された。30年ぶりのシリーズ優勝を果たした
武豊はさすがの手綱さばきだったが、個人的に注目しているのは外国人騎手が乗った馬の次走以降。「○○騎手が乗ってから馬が変わった」というコメントを聞くことはよくあるが、筋力や馬への当たり、騎乗
スタイルが日本人とは異なる外国人騎手が乗ったことで“化学反応”を起こす可能性があるからだ。
今回は外国人騎手の勝利は第4戦のバシュロ(仏)の1勝のみ。ただ、ここで凡走に終わった外国人ジョッキー騎乗馬のその後の“変化”を期待し、次走以降の激走はマークしておきたい。
そんなふうにWASJを振り返ってみると、今週の
新潟記念(4日=新潟芝外2000メートル)でも急浮上してくる馬が。「前走は時計も速くて負けたけど、ジョッキーがうまく乗ってくれた。さすがミルコ(デムーロ)だね。あの競馬が今回に生きてこないかな」。そう相沢調教師が言う
プレシャスブルーだ。
同馬の通常
スタイルは行き脚がつかず極端な後方ポツン。しかし、前走の
関越Sでは出遅れはあったものの、気合をつけていき、同じ後方待機でもいつも以上に馬群にとりついた競馬ができていた。初めて装着したブリンカー効果もあったのだろうが、相沢師が「さすがミルコだね」と評するレースぶりだった。今回継続騎乗でもあり、あの競馬での“刺激”が今回につながってくる可能性は十分ある。
振り返ればこの
プレシャスブルー、デビューから善戦止まりだったが5戦目で初めて外国人騎手(シュタルケ)が騎乗して4・2着。そしてバトンを受けた
M.デムーロが初勝利に導いている。
M.デムーロとの相性の良さはもちろん、外国人騎手によってスイッチが入るタイプなのかもしれない。
「前回は
函館記念を使えず、カラ輸送もあった。その点、今回の方が状態面も良さそうだね。少し時計がかかるようになっている馬場もいいし、年齢的な衰えもなく元気いっぱいだよ」(佐藤助手)とデキは前走以上。昨年、12番人気
マイネルファンロンで大外一気を決めた
M.デムーロが鞍上となれば、今年もその再現がありそうな気がしてきた。
(美浦の外国人騎手マーク野郎・山口心平)
東京スポーツ