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小倉2歳S・G3」(4日、小倉)
最後まで“主役”は譲らなかった。枠入り前、蹄鉄の打ち直しとなった
ロンドンプラン。5分遅れで無事ゲートインを迎えたが、今度は大出遅れ…。それでも、末脚を信じる松山に焦りはなかった。
道中は最後方を追走し、勝負の直線を迎えても先頭ははるか先。だが、鞍上の右ステッキを合図にエンジン全開。グングン加速して前を行くラ
イバルをまとめてかわし去り、重賞初Vをもぎ取った。
2年連続で“夏コク”リーディングに輝いた鞍上は「すごい末脚を使ってくれましたね」と笑顔。「蹄鉄が外れて、そこで馬自身も少し苦しくなり、ゲートでもそういう部分が出ました。ただ、精神面の弱さを覆す力がある馬です」と、ずばぬけた脚力を評価した。
管理する宮本師にとっても大きな勝利だ。オーナーで生産者の
下河辺牧場とは開業以来の付き合い。ただ、これまで思うような結果が残せず、申し訳なさから預託を断ろうと思ったこともあった。そんな中で、同牧場ゆかりの
グレーターロンドン産駒で重賞制覇。喜びもひとしおだ。
「スピード一辺倒のタイプではないので、少しずつ距離を延ばしていければ」と指揮官。出世レースを制した孝行息子が、さらなるステージへとまい進する。
提供:デイリースポーツ