夏競馬が終わり、今週から秋競馬が開幕。中山、中京の2場開催となるが、新馬戦は芝、ダート、短い距離、長い距離とバラエティーにとんだ番組が組まれている。昨年の4回中山開催はダート1200mで14頭の除外が出たり、芝1600mとダート1800mで除外が出る出馬ラッシュ。ただ、中京はフルゲートの満たないレースばかりだった。
5回中京2日目に行われた芝2000mは5頭立て。しかし、ここを勝った
ジャスティンパレス(栗東・
杉山晴紀厩舎)は、その後の
黄菊賞も勝ち、
ホープフルSでは2着という結果を残した。頭数の多い少ないが将来性に関係するわけではないだけに、クラシックディスタンスの新馬戦は来春を見据える上で注目の一戦になることは間違いない。
【9月10日(土) 中京芝1400m】
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ロードフォンス(牡、父
ロードカナロア、
母オーシュペール、栗東・
安田翔伍厩舎)
全兄に東京芝1400mのデビュー戦を勝ち、その後は芝1200mで4勝を挙げた
ロードアクアがいる。おじにはダートオープンの
アルデバランSを2020年、2021年と連覇した
ロードレガリス(
父ハーツクライ)がいて、芝ダート問わず、ポテンシャルの高い母系といってよいだろう。
本馬はゲート試験合格後に一旦放牧へ出て、8月に栗東へ再入厩。先々週までは目立った時計が出ていなかったが、9月2日の坂路では新馬を追走して先着。4F51.4秒と速い全体時計をマークした。この時のラストが13.2秒だったので、まだ良化の余地はありそうだが、1週前追い切りでこれだけ動いたこと自体は評価すべきだろう。
【9月11日(日) 中京ダート1800m】
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ケイエイト(牡、父
ルーラーシップ、
母ラベンダーカラー、栗東・
羽月友彦厩舎)
母系に2012年札幌、2013年函館で行われた
クイーンSを連覇。阪神JFでは2着、
桜花賞では3着とGIでも実績を残した
アイムユアーズ(
父ファルブラヴ)がいる血統。
本馬は7月22日にゲート試験を合格し、栗東に在厩したまま調整。坂路とCWを併用して追い切りを積み重ねてきたが、9月1日はDPで単走。時計は決して速くなかったが、いろんな馬場を使いながら、入念に乗り込まれている。
【9月11日(日) 中京芝2000m】
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オープンファイア(牡、
父ディープインパクト、
母ゴーマギーゴー、栗東・
斉藤崇史厩舎)
2021年セレクトセール1歳にて、3億円で落札された
ディープインパクト産駒。ゲート試験後に放牧へ出て、8月10日にノーザンFしがらきから戻ってきた時は「前回入厩した時よりも全然いいですね。ディープらしさが出てきた感じ」と
斉藤崇史調教師。
追い切りはCW中心に乗り込まれているが、8月31日のCWでは古馬2勝クラスを追走して先着。6F81.4秒、3F36.0秒、1F11.4秒と非常に速い時計、強い負荷の追い切りを消化した。動き自体は軽快というよりも、しっかりと走らされたという感じはするが、この追い切りで気持ちが乗ってくるのは間違いないだろう。「最終追い切りには(レースで騎乗を予定している)
C.ルメール騎手に跨ってもらう予定です」と同師。
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アンタッチャブル(牡、父
ハービンジャー、
母ガラアフェアー、栗東・
友道康夫厩舎)
2020年セレクトセール当歳にて、9400万円で落札された
ハービンジャー産駒。母系には2011年
ドバイワールドカップ、2010年
有馬記念、
皐月賞といったG1を制した
ヴィクトワールピサ(
父ネオユニヴァース)がいる血統。
本馬は4月1日にノーザンF天栄から栗東へ入厩し、4月7日にはゲート試験を合格。その後は一旦放牧に出て、7月に栗東へ再入厩。CWと坂路を併用して追い切りを進めているが、併せ馬では相手が格上ばかりということもなって、なかなか先着できないことが続いている。ただ、8月31日はCWで3F36.7秒と数字的には決して悪くないだけに、併せ馬の内容だけでは判断できないところもありそう。
(取材・文:井内利彰)