秋競馬の開幕週、中山芝1600mの距離で行われる
京成杯オータムハンデ(GIII)。レース名にも入っているように“ハンデ戦である”ことが強調される形のレースなのですが、むしろハンデよりも重要なのは“中山競馬場への適性”なのではないかと考えられます。
1週間後の朝日杯
セントライト記念(GII)に代表されるように、現代の
JRA重賞戦線において中山競馬場はかなりの特殊コース。たとえば
セントライト記念の勝ち馬などはそのあとほぼ“中山専用機”と呼ばれるようなことにもなっているのですが、
セントライト記念ほどではないにしても、この
京成杯AHもなかなかに“中山競馬場への適性”が問われるレースだと考えておくべきでしょう。
■
京成杯AH出走馬の中山連対経験別成績
あり 103戦【10- 5- 5-83】勝率10% 単勝回収112%
なし 50戦 【 0- 5- 5-40】勝率 0% 単勝回収 0%
トータル 153戦【10-10-10-123】勝率 7% 単勝回収 75%
※2011年以降の過去10回。新潟開催の2014年は除く。
例に挙げると“中山競馬場連対経験のありなし”、これだけで
京成杯AHの勝ち馬はかなり絞り込めることにもなります。さらにさかのぼって2001年以降としても大きな傾向の変化はありません。
■
京成杯AH出走馬の中山連対経験別成績
あり 152戦【17-13-11-152】勝率 9% 単勝回収 93%
なし 86戦 【 2- 6- 8- 70】勝率 2% 単勝回収 11%
トータル 279戦【19-19-19-222】勝率 7% 単勝回収 68%
※2001年以降。新潟開催の2002年、2014年は除く。
昨年は1400m適性を重視して、あえて中山連対のない
グレナディアガーズで勝負してみたのですが、同馬は1番人気での3着という結果に。以前からの狙い方を思い付きで変えるべきではありませんでした。中山連対の経験を持っていた
カテドラルと
コントラチェックが7番人気と12番人気でワンツーを決めたことから、今年はもう迷いません。
今年の
京成杯AHの特徴は、中山連対経験を持つ馬が少ないことかも知れません。
インテンスライト、
クリノプレミアム、
タガノディアマンテ、
ミスニューヨーク、
ミッキーブリランテと
ルフトシュトロームの6頭。人気が予想される
ダーリントンホールや
ファルコニアはここから外れてしまうだけに、今年の
京成杯AHはそこを念頭に置いて予想を組み立てることになりそうです。
ウマい馬券では、ここから更に踏み込んで
京成杯AHを解析していきます。印の列挙ではなく『着眼点の提案』と『面倒な集計の代行』を職責と掲げる、岡村信将の最終結論にぜひご注目ください。
(文・岡村信将)